販売品目1
中村博司氏撮影
空気銃狩猟の効用と時代背景  |ライフルマンからエアライフルへ  |散弾銃からエアライフルへ  エアハンターからライフルマンへ|  終猟後の空気銃の手入れと保管
終猟後の反省点と狩猟登録証の返納    失中原因とその対策|  銃の精度による失中
ハンターの技量責任による失中
|  空気銃狩猟のための射撃練習法|  獲物の処理の仕方
目次
空気銃狩猟へのアプローチ  |狩猟行為の意義  |狩猟は環境保全に役立っている
狩猟行為は野蛮な行為か
  |狩猟とはスポーツなのか|  エアハンターの守るべき法律知識
狩猟の禁止時間|  狩猟者の義務心得|  無事故、無違反の猟場マナー|  狩猟の徳義
出猟先の住民への対応|  狩猟解禁前の準備と出猟対策   
解禁前の猟場の下見調査の重要性   猟場と標識の見極め
出猟時の猟装束を選ぶポイント|  出猟直前の銃種別の点検|  各部の点検箇所は
銃の予備品と携行アクセサリー| 弾を携行する容器の工夫|   猟場で役立つ携行品
空気銃猟の猟法と作戦上の決め手
| 待ち撃ち/ その待ち場条件| 良い待ち撃ち場の条件
カモフラージュへの期待  カモフラージュ・ネット作戦| 忍び撃ち/ 接近のテクニック
流し猟/ 車の活用と問題性     ゲームの捜索活動とテクニック   ゲームの小鳥猟を楽しむ必要要件   スズメの狩り方と撃ち方    ヒヨドリの狩り方と撃ち方   キジバトの狩り方と撃ち方   コジュケイの狩り方と撃ち方   キジの狩り方と撃ち方    ヤマドリの狩り方と撃ち方   カモの狩り方と撃ち方      カラスの狩り方と撃ち方    小獣類は空気銃で獲れるか
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04/04/27
 空気銃狩猟の効用と時代背景

 これからの空気銃猟の立場は、時代の担い手にならざるを得ない。報道される鉄砲事故の中には、空気銃猟での重大な事故例はほとんど聞かれない。装薬銃での事故を深く掘り下げていくと、そこには猟場の狭さと無軌道な銃器に対しての扱い方がうかがわれる。撃てば轟音を発する道具では、気楽に発射経験を確保できず、銃の取り扱い経験が浅くなることも原因であろう。空気銃になると、その事情は一変してしまう。空気銃の射撃場では、いくらでも撃てる。狩猟においては、ゲームの多い人家周りでも、配慮さえすれば、その安全は確保しやすく、比較的近くの猟場で楽しめる手軽さは、捨てがたい貴重な趣味となっている。これは時代の要請そのものであろう。

 ライフルマンからエアライフルへ  目次へ
 耳を塞いでいなければ、とても耐えられない発射音。これほどの道具を使う場所は、人家などは見えない、相当な奥地に限定される。 しかし、そのような猟場は、現在のハンター事情からすれば、遠のいていくばかりである。時間と経費がかかり、そう多くは射撃には行かれないが、このまま続けたいと思うのが、ハンターの道理である。ここで問題になるのが、練習の回数である。射撃場まで行くにも、猟場とそう変わりない距離であれば、その足は遠のいていくことも必然であろう。銃に触れることや、銃を取り回し、空撃ちまたは、据銃姿勢などの繰り返し反復練習、そして発射訓練と、そこに含まれている重要プロセスは、狩猟にはなくてはならない経験である。この中で、発射行為だけは射撃場に行かなければ、その目的を達せられないが、その一つの解決法が空気銃にある。音と衝撃は違うものの、実際にやってみると、そこに潜在している可能性は、無限に広がって行くかのようだ。
空気銃射撃がライフルにおよぼすその効用は、計り知れない範囲までおよんでいる。空気銃をほとんど扱ったことのないハンターでも、銃器に造詣の深い者には、十分頷けるジャンルである。
 空気銃は射撃場さえ確保できれば、その日飽きるほど撃てる。いくら撃っても弾の値段は、ライフルの数発分である。
 空気銃射撃をすることにより、スコープの着弾調整を徹底して訓練できる。ライフル射場でよく目にする光景の一つに、ゼロイン調整に苦労している姿があるが、空気銃での要領とまったく同じであり、射撃場に行って、その多くの発射回数を数えるうちに、ライフルのゼロインは、3発で終えるようになる。こうなれば、猟場での不測の事態にも対応可能なのである。着弾調整に数十発撃つようでは、ライフルを所持する資格はないのである。そして、空気銃射場で、スコープの中に見える光景が、猟場と違っていても、そこに含まれる重要課題の重みもまったく同じである。それを、ライフル射撃の数十倍も経験できれば、その効果は、言うまでもないであろう。
 スコープで獲物を捕捉し、発砲に至るには、意外と難しいプロセスを含んでいる。スコープの狭い視野の問題は、ハンターがそれなりの訓練なしには、とてもその視野に獲物が入ってくれず、やっと捉えたときには、獲物は走り出していた。なんてことは日常茶飯事なのである。スコープで獲物を探し回って、その末、スコープから目を離し、肉眼で獲物を確認なんて事態は、最悪な状況である。そのようなことが、たび重なるようならば、スコープをはずし、オープンサイトにして、近射専門としたほうが妥当な狩猟となろう。
 スコープなしでの据銃と、スコープ装備での据銃では、極端な違いがある。そのハンターにとって、どちらが獲物を手中にしやすいのかを、必ずや決断しなくてはならない時期が、ライフルマンに訪れる。しかし、ほとんどのハンターには、その意味さえも感じることができず、そのままスコープを使い続けて行くのである。自身にとっての、その道具の価値観を、かえりみることのないハンターには、それほどの技量の進展はないであろう。
 一方、自身とスコープの関係を、客観的に捉えることができるハンターは、スコープの正しい使用目的と価値観をはっきりと、その意識の中に捉え、いままでのようなスーコープの覗き回数では、とても足りないことを、補おうと奮起するのである。その頼もしい助っ人が、空気銃射撃なのである。
 ライフル射撃場で幾度となく、ライフルの発砲を繰り返すうちに、引き金を引く直前で、上半身が前にのめり込んだり、頭の中の血の気が、異常に緊張していくことがある。フリンチングである。衝撃恐怖症とでも言おうか、撃ったときの、いやな衝撃を身体が記憶しており、撃つ直前に拒否反応を起こし、素直な引き金操作ができず、カクビキのような悪い引きかたになるのである。
 空気銃を長く志していたエアハンターが、初めて100mで、30-06 のライフルを発砲しても、始めの数発はベテラン並の着弾を示す。問題は一呼吸した後、つまり、少々のインターバル(休憩)後である。いくら撃っても、先ほどのような精度は出ない。その後続けて撃ち込んでも、そのままの精神状態では良い結果は得られなくなる。フリーチングを起こしているのである。ここでエアハンターは考える。この現象は何であるのか?この異常な緊張感は何であるのか?
 フリーチングがすぐに訪れない射手もいるが、遅かれ早かれ、それは、いつかはやって来るのが、ライフルマンの宿命である。射手によっては、この現象が始終起きているにもかかわらず、それが何であるのか理解もせずに長い年月を過ごしている人達も多いことだろう。そのようなハンターの多くは、ほとんどの発射行為を猟場で経験しており、猟での射撃にはフリンチングが起きずらく、起きていても気づかないのである。猟ではフリンチングが起きにくい訳は、ハンターの神経のすべては、獲物との対峙に集中しており、フリンチングが、頭から湧き出るヒマもないうちに、発砲が完了してしまうのである。すべては、精神が成せるワザなのである。しかし、射撃場での落ち着いた環境では、猟場ほどの緊迫感はない代わりに、引き金に対しての、異常な緊張感が生まれる。視覚から得られた情報が脳に伝わり、最後に引き金に到達するときに、指の筋肉と脳とのやりとりの中で、少々の時間が生まれ、この空間域にフリンチング情報が組み込まれてしまうのである。
 射撃場での発射経験の薄い射手にとってはこの難題を解決することは難しいであろう。しかし、装薬銃の数十倍におよぶ発射行為を経験しているエアハンターの、引き金を落とした経験は、ここで大いにその効果を発揮するのである。引き金の引きかたをマスターしているエアハンターにとっては、引き金をスムーズに絞る習慣がついているので、それ以外の精神的コントロールだけに集中できるのである。まさに自己との闘いが始まるのである。しかしながら、引き金の絞りかたを、それほど意識的な訓練として積んでいない射手にとっては、引き金の操作と精神的なコントロールを、同時にやりこなすことは、ほとんど無駄な行為となっていくことだろう。それほどの強者は、この世に多くいないはずである。
 銃の引き金が重たいこともフリンチングの原因となる。重いと言うことは、長い引きしろと異常なまでの緊張感が引き金に伝達されるので、精神的な負担は否応なしに増大していく結果となるのである。
 極端に軽い引き金は狩猟には向かないが、フリンチングが起きる直前または、起きかかった直後に引かれる事が多く、結果としては精度に貢献できるが、狩猟においては過度な軽量化は慎まなくてはならない。それは即、危険に繋がるからである。

 散弾銃からエアライフルへ  目次へ
 射手のジャンルとして、これほどライフルへの移行を困難にしている人達もないであろう。彼らの弾道における考え方の中身は、理屈では分かっていても、身体で納得していないという、経験上の弾道が存在していないのである。つまり、狙い越しはエアハンターより上手くても、湾曲している一発弾の特性を考える習慣はなく、長い散弾パターンに、ターゲットを合致させる訓練を長い期間経験してきた人達なのである。まして、サイト調整などという本質的な行為におよんでは、まったくの初心者でありながら、その銃器の扱いにおいてはベテランなのであり、ライフルにおける初心者としての出発を、どうしても妨げる散弾銃経験が、いつも頭を過ぎり続けるのである。そのような人達が、10年の経験があるだけで、いきなりライフルを所持することは、特に今のご時世では、無茶苦茶なことである。もし、銃砲店で、この状況が分かっているのに、ライフルを勧めるとしたならば、それは犯罪行為に等しいとさえ感じてしまうのは、行き過ぎだろうか?
 ライフル射場で、サイト調整もできず、他人任せの人がいる。いくら教えても、その人の価値観には、人に習ったことを、憶える習慣がない人が多いのには驚く。
 本来のライフル所持の条件には、10年などという何の裏付けもない無意味な規則より、一歩前進して、散弾銃経験3年と、エアライフル経験を併せた条件を、必要経験とし、さらにライフルに必要な、実技をもっと厳しく考査する必要性があり、結果として、経験年数は少なくし、もっと具体性をおびた考査が妥当なのである。いくら長い時間をかけても、向いていないタイプには、なかなか順応できないのが、このライフルなのである。
 ライフルを難しいものにしている要因に、他人からの指導によるものより、自身によってのみ成されることが多いことも、ライフルの理解を難しくしている事実でもある。
 散弾銃からライフルに移行しようとしているハンター諸氏には、ぜひともエアライフルから導入していただきたい。エアライフルからスラッグ銃も理想の橋渡しになり、エアライフルで培われたさまざまな要素は、ライフルへの橋渡しに、どれほどの効果があるかは、世界中での常識と、昔から言われている。
 「空気銃なんて」などと空気銃の本質も知らずに馬鹿にしているようなハンターには、とてもライフルなどという危険この上ない代物を持つ資格などないのである。


 エアハンターからライフルマンへ  目次へ
 エアハンター達が、ライフルを所持したその日から、100m1インチ、3発の集弾は容易いなことであろう。フリンチングも、もろともせず、わずかな年月で、すばらしい精度を維持し続けることも可能である。さらに大物狩猟術を身に付ければ、遠射に、近射に自由自在な将来が待っている。
 エアライフルで、弾道の何たるかを徹底的に自身で検証してみよう。そこには、装薬銃では、経済的、時間的にも不可能なことも、このエアライフルでは何のことはなく、簡単にやってのけられるのである。その多くの経験は、猟場でもすぐに生かせ、大変具体性の優れた猟法と成り得るのである。
 エアハンターには、単独猟により、自身を客観的に見つめ直す機会にも恵まれるだろう。ハンターとしての精進は、人としての精進であり、決して多くの団体の中から生まれるものではなく、初めはまず、己についてを発端にすべきなのである。我々日本人は、子供の頃から、団体に交わることが、人生の出発点のごとく言われ続けてきた記憶があるが、今思い返すと、その間違いに気付いているところである。自己なくして、他人を思いやる余裕や理解などないのである。まして、個性的な狩猟行為などは、自己意識なくして、なんの価値があろうはずもないのである。
 エアハンターの単独猟には、すばらしい要素がたくさん詰まっている。一人でフィールドを好きなだけ見回してみよう。じっと一時間も辛抱していると、そこには今まで思いこんでいた自然とは、まったく違った光景が一つ二つと現れてくる。あの少年の頃の、みずみずしい感覚が蘇ってくるのである。腹這いになってその光景を覗いてみよう。動物達の気持ちが分かるかも知れない。
 ハンティングの醍醐味と、その極意は、いかに動物達に、気持ちが近づくかということである。動物園のベテラン飼育員が、動物の個体差を見分け、話しを真剣にすることと似ているかも知れないが、我々の相手は野性動物である。これほど遠くに位置している、手の届かない者達に、気持ちと心が近づくことは、大変な快感を生ませずにはおかないだろう。しかし、その道のりは遠い。少しでも近づきたいと願う心持ちが、ハンターとしての尊さなのではないだろうか。そして、その思いが大きな結集となり、本当の自然保護の布石となるのではないだろうか。
 エアライフルは個人の嗜好を越えて、今や時代の要請なのかも知れない。

 

 終猟後の空気銃の手入れと保管   目次へ
 猟の終わり、一段落と思っていても、まだ何かやり残していることがあるはずである。それは猟期中さんざんお世話になった銃の手入れである。
 空圧の利用により成り立っている道具である空気銃の最重要箇所は、密封性を要している部分にどうしても集中してしまう。ピストン銃での、給弾口(ブリーチ)は、穴あき五円玉状のパッキングであり、プリチャージ銃、ガス銃、ポンプ銃などは、給弾口のOイングへの給油と破損点検である。
 ここでOリングのメカニックを話しておこう。Oリングの占める役割は、空気銃に限らず、さまざまな作動する機械にとっては、なくてはならない重要部品となっている。自動車などにも数え切れないほどのパッキング類が配置されている。ことに空気銃におかれているその重要性は、空気銃の命ともなっているのである。
 Oリングとは、ミリ単位の細いゴム質でできているドーナツ型の形状であるが、その繊細な形態にしては、膨大な量と圧力を一手に引き受けている「小さな巨人」である。これのコンディションを良好に保つ秘訣は、うっすらと光る程度のオイル(専用オイル)が常時塗布されていることであり、一時たりとも、このオイル皮膜が途絶えると、一瞬にしてOリングの破損に結びつき、空気漏れや動作不良が起きしまう、繊細な部品であるので、いつも心して配慮しなくてはならない。
 Oリングが、200kg/Cm2 もの途方もない圧力に耐えられるメカニックは、その圧力を利用して、シート面に圧着するからである。それゆえ、密閉性を必要とするとき以外には、Oリングへの圧力は可能な限り少なくしておくべきなのである。つまり、実際の圧力がかからないときには、Oリングの周りには、適度な間隙が必要なのであり、過度な圧迫は、Oリングの劣化につながるのである。
 このようにOリングへは、適度な給油が不可欠であり、他の金属摺動部にも同様な給油が必要となり、過度な量の給油は、返って不具合の原因ともなるので、給油については少量が、適度と考えるべきであろう。
 グリースの目的は、適度な粘性があったほうが、給油の回数が省略できることから、使用されるが、その種類も多く、スプリング用とピストン用ではまったく異なる性状なので、適性な使い方をしなければ、その性能を維持できない。
 また、これまでの行程を実行するには、銃床と機関部を外して行うが、各種オイルをゆき渡らしたならば、不用に付着したオイルをぬぐい取り、銃床を元通り装着する。銃床を装着したままでのオイル塗布は、ごく一部分の箇所にしかオイル塗布をしないときに限り、全面的な実行には、必ず銃床と切り離した状態で、行うべきである。
 銃床の手入れには、専用オイルを用い、もちろん機関部と切り離して、終猟期の手入れとすべきであろう。
 ガンロッカーにいつものように入れるが、長い保管期間が考えられる銃については、厚手のポリエチレン袋に一丁ずつ入れ、それぞれに乾燥材を入れておけば完全であろう。ガンロッカー自体には、家庭用の湿気取り剤をさらに添加しておけば、万全である。


 終猟後の反省点と狩猟登録証の返納  目次へ
 反省点を正確に見極め、分析することの元と成すものは、出猟日誌の実行である。これが完備してあれば、おのずとその注意点と、反省点は、表面に分かりやすく現れてくるものである。
 反省点には、出猟時刻、天気、気温、装備、弾種、獲物の種類、獲物との出会いかた、出会い時刻、その処置、調理、蛍光色チョッキや帽子の着用などとそのハンター独自の項目を整理して、いつの時期に見ても分かるような書き方にも、配慮は必要である。
 また、自身の価値観で、その年の猟の反省をすることは大事であるが、自身とは違った方向からの意見や情報も大切である。雑誌などの他人が書いた文章の中にも、自身と照らし合わせるべき内容もあるはずであり、意外とそのほうが、より客観的に判断できる場合もあるだろう。その記事なども、書きとめておけば、より高度で、実用的なチェックが完成することだろう。
 そして、狩猟登録証の返納は、一ヶ月以内に済まそう。県によっては、生息調査のために、ハンターからの報告を求められる場合もあるので、積極的に答えてほしい。それがハンターとしてのマナーの一つであろう。

 失中原因とその対策  目次へ
 われわれは必中の裏返した反対の言葉を失中と呼んでいる。その意味はターゲットに当たらない、または当たったかも知れないが、飛ばれてしまった状況をさす言葉に使われている。銃猟においては、獲れない、回収できないことが、失中と同等な意味をなしているのである。そこには銃の精度による失中と、ハンターの技量責任による失中がある。

 銃の精度による失中   目次へ
 銃のせいだからと言って、ハンター自身に責任はないとは言えない。なぜならばハンターにとっての銃は分身そのものであり、いつも最高のコンディションに保っておき、ハンターが銃を常に支配していることが、技量と法律の両面で課せられているのである。
 従って、その責任を怠った結果、銃の不備により、予定したコースを弾が飛行せずに、目的のポイントに弾がヒットしないことが失中である。まことに理屈っぽい表現となったが、ただの失中と、軽率なる検証を避けたい主旨を理解していただきたい。
 銃による原因には、スコープなどのゼロイン調整の不徹底が筆頭にあげられる。
 エアハンターのすべては、一度フィールドに立ったならば、必ず着弾確認をする。要するに、今日は予定のコースどおりに弾は飛行してくれるのか、それを確認するのである。
 意外と、かなりの確率で着弾ポイントに異変が生じている。その誤差が、ハンターが撃つ距離において支障がない範囲であれば、いたずらにスコープ調整ノブを触らないで、そのままの状態でハンティングを始めよう。数時間経過してから、再度、調整射撃に挑戦してみよう。意外と正規のポイントに戻っていることが多いものである。
 また、最初の確認射撃時に、大きな着弾ポイントの修正が必要であった場合も、再度同じ要領で確認射撃をしてみよう。
 一度、その不安定な現実を見てしまうと、ハンターにとっての心配事となり、落ち着かないハンティングとなっていくが、あまり神経質にならぬことも、ハンターの技量の条件でもある。要は、自身で所持している銃の傾向と性格を早い時期に理解しておくことが重要なのである。サイトとは常に流動的でありそれをコントロールするのが、ハンターの技量なのである。
 スコープのセッティング、固定方法の不備により、スコープが動いている場合がある。締め付けボルトの増し締めや、良いマウントリングに交換すべきである。
 スコープ自体の故障、または性能により着弾が不安定になることがある。特にピストン銃では、ボルトの増し締めも含めて検討すべきである。
 各箇所の不備については、本書の「空気銃の手入れ」の項を参考とされたい。
 銃腔のクリーニングの不徹底による失中もあるので、フィールドにはクリーニング道具を持参したほうが無難であるが、詳しくは「銃腔クリーニング」の項を参考にされたい。
 このように述べてくると、いかに空気銃は繊細な道具かが理解できると思う。無頓着な考えでハンティングすることと、その本質を理解して使うのとでは相当な差となり、猟果に反映してくることは必然である。


 ハンターの技量責任による失中  目次へ
 まずは距離への配慮に欠ける行為が、その筆頭になる。自身が考えている範囲よりも、途方もない誤差を起こしているにもかかわらず、無頓着な判断は、すべての狩猟感覚をむしばんでいく。それは結果として、間違った自信の持ち方と無知が原因である。
 弾の発射行為は、決断してからの結果であり、その決断時点になすべき行為をおろそかにしていることであり、決して結論を出す行為ではなく、結論自体を省いての発砲となる。これらのほとんどは50m 前後の距離で起きている。
 結論を出す前に、正確な距離測定を実行しなくては、この距離での対応は無意味なのである。その難度は、弾速の遅い銃ほど顕著に現れる。ポンプ銃の大きく湾曲する弾道は、35m 以上の距離については5mの目測を誤ると、急所にはヒットしない。
 究極の急所の大きさは、ターゲットによってサイズの差はあるが、だいたい3cm 前後とすべきであろう。もちろん、その範囲以外への着弾でも獲れることはあるが、確実性を高くするのがハンターの本道とすれば、この数値が妥当なのである。
 獲物によってのサイズの違いは、急所のサイズの違いとなるが、実際には、それほどの違いは起きないのである。例えば、キジバトは3cm で十分獲れるし、キジも3cm だと矛盾を感じるが、キジのほうが遥かに撃たれ強いので、確実性を増すためには、この範囲にとどめたいのである。
 50m で3cm に入れるとなると、相当な難しさがあるが、実際には、これより大きな集弾性で獲れていることが多いはずである。しかしながら、この数値をいつも意識することで、もっと難度の高いターゲットへの挑戦が可能になるのである。
 距離への配慮には、距離計(レンジファインダー)と、弾道補正機構(BDC)搭載のスコープの使用を駆使するか、一定以下の比較的近距離またはバイタルゾーン(バイタルゾーンの項を参考)の中の獲物だけに発砲する方策がある。
 距離計とBDC付きスコープによれば、その配慮によっては, 50m を遥かに超える対応も可能となる。もちろん、近距離にも十分活用可能である。
 ピストン銃のように、衝撃が大きく、その割には弾速の遅い空気銃では、引き金の落とし方や、保持の仕方、依託の仕方によって着弾にバラツキが起きるので、可能な限り柔らかいソフトなタッチで終始しなければならない。
 また、引き金が軽すぎることも、狩猟においては失中の原因ともなりうる。これはビギナーに多く、ハンターの意思よりも早過ぎる時点での発射となる場合であり、結局そのハンターには相応しくない引き金となり、不安全行為ともなりうる。
 獲物に対しての、当たりどころによっては、当たっているのに飛ばれてしまう結果は多いものである。ハンターによって、その狙点はそれぞれ違うが、いずれにしても獲れる可能性が高い狙点を見い出し、発砲するのであるが、初めから間違ったところを狙点としている場合は、カラーページの「狙点5態図」を参照いただきたい。
 キジを例にとれば、通常の狙点の中心は首元から頭にかけての小さな範囲に限定され、基本的には横隔膜から上の重要器官にヒットすることであり、その確実性を増すには首元から上と、脊髄に沿っての神経組織にある。
 獲物に正確な着弾効果を与えるには、その獲物の向きが、ハンターにとって一番有利な角度になるまで待つことも、ハンターの技量に入るだろう。発見したから即座に撃つ行為におよぶだけでなく、少しでも時間的余裕を見切り、その時間ぎりぎりまで辛抱強く待つことはスナイパーの鉄則であり、その狙点が現れないのならば、狙撃の一時中断も必要な行為であろう。

 空気銃狩猟のための射撃練習法  目次へ
 すべての射撃練習は、射撃場で行うことが鉄則である。
 まず、依託射撃を徹底して行おう。依託という精度を確保した状態で、スコープ越しに見える黒点を、凝視してみると、いくら固定して銃の安定をはかっても、微妙に動く狙点に気付くことだろう。もし、そのような動きがないならば、そのスコープの倍率を上げるとよい。10m でも10倍以上のスコープであれば、その動く様が見えるはずである。練習には、可能な限り倍率を高くして使うべきである。倍率を上げると、引き金を引くタイミングが上手くとれず、精度が落ちると言われる場合があるようだが、これは練習であり、練習には少々極端なほうが、その目的を達する効果があるものである。そもそも動きにくい倍率は、現実から逃げており、実際のターゲットは、倍率に関係なく動いているのである。ハンターの訓練には、その動く現実の中での引き金落としに慣れない限り、遠い距離への克服には、決してならないのである。
 70m 先のカモの小さな狙点の動きは、活発な動きであり、これを再現できるのは、高倍率だけなのである。実際の狩猟条件より、難しいセッティングによって、より高い効率の練習が再現できるのである。低倍率で、10m などという近距離で、いくら練習しても、それほどの効率は生まれないのである。
 遠射におての条件には、獲物は逃げず、時間的な余裕の中で、ベンチレストに近い、安定した環境を作り出せるので、射撃場に近い環境を生み出せるのである。
 スコープ・レティクルの使い方を考えてみよう。「レティクル図」による、狙点ポイントが、5ポイントには5箇所の狙点ポイントが点在しており、このポイントすべてを使って、射撃してみよう。ターゲットになる黒点を、終始同じところを狙って、レチクル狙点ポイントだけを、順次変えて、射撃していくのである。ほとんどのハンターはこの練習法を知らないが、やってみると、その狙点をずらすことにより、着弾も変わっていき、狙い越しの要領が、素直に理解できるであろう。
 順次、すべてのポイントを使うことにより、その5ポイント・レティクルの配置通りに着弾し、5ポイントがそのまま標的紙に再現されるはずである。
 狩猟に即した射撃姿勢も練習しよう。狩猟行為で最も多い射撃姿勢は、膝撃ちと立ち撃ちである。まず、膝撃ちの立て膝を片足にした形態での射撃を開始してみよう。できるだけ早い操作での発砲に至るようにすることが、より、効果的な猟場に即応した射撃になるが、射撃場であるので、周りの雰囲気に気配りしながらの、射撃が寛容である。弾の装填も、単発として、装填時間を短くできるよう練習し、単発も同じように、装填と発射の流れを、スムーズに運べるよう練習を積むとよいであろう。ここで単発と連発、双方の早さの違いを考えてみると、意外なことが起きる。練習をたっぷりと積んだハンターと、ほとんど連発式を練習していないハンターとでは、その差がほとんどないことである。特にサイドレバー式の単発銃の装填と、発射までの時間は、むしろ早いときがあるほどである。われわれは単発にしたいが、その発射スピードが遅いことで、せっかくのチャンスを逃すのではないかと、一種の恐怖感を抱きがちであるが、練習と装填しやすいサイドレバー式にすれば、普通のハンターの連発式と何ら変わらないのである。そして、もっと重要なことは、単発である限り、精度良く使える範囲が広く、どのような弾でも装填可能であり、一発必中のスナイパーには、これは最適な銃なのである。そもそも、このサイドレバー式が発射までの時間を短縮できるのは、据銃姿勢のままで、サイトから目を離さずに、装填と発射を繰り返すことが、可能な点である。
 ヨーロッパ銃の、殆どの銃は、レシーバー ブロック後尾からボルトを直接引く方式であり、どうしてもボルト操作により、銃を肩から離さざるを得ない点が大きな欠点なのである。ライフルのように、もっと前にボルトがあればよいのだが、レシーバーケースの元から、さらに引く操作行程には、相当な無理があり、せっかくの連発も、死んでいるのである。
 立ち撃ちになると、その連発性は、断然サイドレバー式が有利となる。立ち撃ちの場合は、膝撃ち以上に身体を固定し、支えるものがないために、ボルト式のその操作には、力が入りにくくなるのである。銃の連発性のキーポイントは、いかにサイトから目を離さずに、装填と発射を繰り返すかに、かかっているのである。 

 

 獲物の処理の仕方  目次へ
 獲った獲物の処理は、衛生面と味覚の低下を防ぐことが、その主な目的であるが、今回は、剥製にすることを前提とした、処理を考えてみよう。
 われわれが、小物を猟獲したときの取り扱いについて、常時、剥展(日本剥製師協会)に上位入賞している野沢剥製さんに尋ねたところ、さすが専門家の意見は、いかの通りである。
 獲れた獲物はすぐに腸抜きしなければならない。暖かさが残っていることは、腐敗菌がすぐそこに、迫ってきているのである。そして、可能な限り冷却し、風通しのよい状態で運搬すべきであり、腸抜き装備のバード・ナイフを常時携帯すべきである。
 剥製のためには、被弾箇所と獲物のサイズが問題になる。つまり、頭部への被弾の場合は、小さなスズメにとっては、その再現作業が困難になり、大きなキジなどは、比較的容易に修復できるわけである。そして、弾痕から流れ出し、羽毛に付着した血液の処理に手間がかかることが多く、特に小さな部位である頭部や頸部の弾痕処置には、神経をつかうところであり、小さなスズメになると、その難度は高くなっていく。
 頭部を貫通している穴の修復には、穴の両側の皮を縫い合わせて製作する場合は、スズメなどに、4.5mm の小さな穴でさえも、皮が引きつれてしまいがちであり、自然な感じに復元、修復することに、相当な神経を使わざるを得ない。どうしても無理があると判断したときには、同種の個体の羽毛を数枚使い、張毛という手法で製作することになる。
 小さなサイズの獲物の狙点には、背面や上背または背羽で隠せるあたりの脊髄を破壊し、貫通せず、その穴が一つなのが、理想である。 先に記した血液の付着であるが、一発必中で、即倒させたほうが、すべて完璧な処置であることは誰でも認めることであり、いつまでも苦しませると、血痕も拡散し、羽毛は汚れていくのである。従って、獲ったの弾痕を素早く、ティッシュペーパーや脱脂綿などで、塞ぎ、周囲に飛散した血痕を、素早くふき取る手立てが、剥製づくりを容易に、美しく仕上げる要点でもある。特にキジバトには、この手立ては有効であり、それを実行することにより、剥製の素材として見た場合の良否は決まってしまう。キジバトの羽毛が血で汚れた場合、薄く繊細な皮の性質上、洗いにくく、また、洗っても元のようなふわっとした、生きているときのような感じの羽毛とは、なりにくいのである。キジバトを食材としてならば、頭部が狙い目であり、剥製の素材としてならば、やはり背中が中心となり、射獲率も高く、まさに背面撃ちが一番なのである。
ここでご覧のとおり、剥製に向いている狙点と、食材としての狙点には、そう大きな違いはないのであり、要はクリーン・キルに徹すれば、すべてに通じることなのであろう。
                                                                                                         
       まだまだ有ります。一休み

04/05/03 
 
空気銃狩猟へのアプローチ  目次へ
 
いざ本番となった。銃も万全である。あとは猟場へ出かけるだけである。今まで幾多の煩雑な手続きや準備も、この日のためにつぎ込んできたのであれば、その行為を台無しにしないように、自己管理にも心がけ、狩猟というドラマの幕開けをしよう。特に猟場での良いモラルを、初日から最後の終猟日までを貫き通す決心をしてから、待望のフィールドに臨んでいただきたい。それがすべての安全につながっているのである。

 狩猟行為の意義   目次へ
 人はなぜ狩猟をするのか。人という一見特別な生き物と思っているが、人も大自然の生態系のひとつであり、その循環体系の役目のひとつに狩猟という行為が不可欠な存在になっている。
 植物を草食動物が食い、その草食動物を肉食動物が食い、その肉食動物が死ぬと、死骸にバクテリアが繁殖し、その結果、植物の肥料となる。この循環システムをハンターが意識することが狩猟行為の意義であり、第一原則となる。

 狩猟は環境保全に役立っている  目次へ
 例えば特定の種が異常繁殖した場合、大自然には均衡を保とうとする力が働く。しかし、時として、その役目が果たせないことが起きる。そのままに放置しておけば、そのダメージは深刻な自然破壊へと急速に悪化の一途を辿ることになるが、ハンターにより正常な生態系に回復することが可能なのである。
 欧米には昔からレンジャー機構が発達しているが、わが国にはこの問題を的確に遂行できる団体は未だ存在していない。ハンター自ら自腹を切って、適当な生息数、雄と雌の生息バランスなどに直接携わっているのである。
 狩猟は生態系のバランスに大事な役割を持っており、われわれハンターはバランサーとしての役割を求められているので、誇りを持って行動しなくてはならない。バランスのとれた山野には、適度な食物連鎖が営まれ、野生鳥獣の生息に適した環境が保たれるのである。そして、その自然はわれわれ人間には最も尊い環境なのである。


 
狩猟行為は野蛮な行為か  目次へ
 
狩猟の醍醐味の中核をなすものに、動物の命を絶つ、殺す行為が必ず存在する。確かに文学的な感傷をそこに持ち込めば、その行為は野蛮な行動になる。しかし、生き物すべてが生きるためには、他の命と引き替えに、自身の命を食いつないでいくしか方策はないのである。その中にも人がいるのである。
 人がよく言う言葉に、家畜として飼育された動物を、生活のために食す行為と、レクレーションで殺す行為は違うと強調するが、生命の意味を考えればまったく同質で、同等な価値観である。むしろ、現代生活の中にある飽食の事態は、われわれ人間が最も慎むべき行為であり、見た目の価値観に気をとらわれている行為などは犯罪にも匹敵する自然破壊の温床である。
 ハンティングとは、自らの判断と決断で、大切な蛋白源を確保する超自然行為である。そして現代社会では唯一の、生命の尊さに触れる行為なのである。

 狩猟とはスポーツなのか  目次へ
 スポーツの原点である。普通、スポーツと言えば監督、チーム、規則という一定数の人数の中で行動することが多く、個人の判断と他人からの指示により訓練や競技に臨む。この点、装薬銃での狩猟も同等な価値観が存在しているが、空気銃猟のほとんどは個人の判断でそのすべてをこなさなくては、その醍醐味は決して生まれないのである。ここに空気銃猟の素晴らしさがある。
 他人の判断を待たず、自らの決断により、その成果ははっきりとした結果になるのである。まさに現代生活から忘れ去られた、野性への回帰なのである。
 人間という地球上の動物として生まれながら、生と死の意義を見つけられる、たった一つのチャンスになるかも知れない狩猟。それは、あなたの人生観をまったく違う方向に導くかも知れない。そして、そこに見えてくる大きな価値観は、きっとあなたを大いなる男へと変貌させてくれることになる。
 まさに狩猟こそ自己啓発の舞台である。まして空気銃猟は決して人からの命令で動かされるのではなく、すべて自己責任において遂行されていく行為なのである。これほどドラマチックな趣味はないであろう。

 エアハンターの守るべき法律知識
 
決まりごとがないと、どうしてもまとまらないのが人間の社会である。ハンターにおいても、その法に支配されているかのように感じているが、本来はそうではなく、われわれの立場を守ってくれているのも、この法なのであり、それを味方につけるには、その法規を厳守することにあることを理解していただきたい。
 そして、われわれにとって最も尊い行為は、どう見ても危険な行為と判断したならば、親しい猟友にも毅然とした態度で、その行為を正すことを心がけることである

 狩猟の禁止時間  目次へ
 
銃猟の禁止されている時間は、日没後から日の出までである。判例では、日没と日の出は事実上の日光の明暗ではなく、暦による日の出、日没とされている。現在は東京天文台で計算した暦象年表を暦と言っているが、出猟場所によって日の出、日没の時間が違うので、各都道府県で発行している「鳥獣保護区等位置図」などで確認する必要がある。
 
以上、狩猟の禁止、制限事項の大要について記述したが、いずれの事項についても違反した者はケース・バイ・ケースで懲役または罰金に処せられ、使用した猟具、違反による猟獲物は没収される。従って、狩猟者は狩猟関係法令等の規制と狩猟マナーを守ることで、狩猟に対する一般人の理解をも深めるべきである。

 狩猟者の義務心得  目次へ
 
出猟にあたっては、銃砲の所持許可証、狩猟者登録証を携帯し、狩猟者バッジを胸部または帽子に付けなければならない。また交付された鳥獣保護区等位置図によって、可猟地区であるかどうかを確認することも、違反しないための方策である。さらには出猟時に警察官や鳥獣保護員、土地所有者などから銃砲所持許可証や狩猟者登録証の呈示を求められたときには、見せることが義務づけられている。
 また、狩猟期間の満了した日から30日以内に狩猟者登録証を返納する際、鳥獣の捕獲報告(鳥獣の種類別員数、捕獲場所)をすることも同様である。


 無事故、無違反の猟場マナー  目次へ
 
エアハンターの入門者が最も勘違いしがちな点は、空気銃という手軽な道具からくる軽率な行動である。空気銃猟が人家周りが主体となっている猟場では、銃を銃袋に入れて持ち歩くとか、銃口は人や人家に向けないこと、駐車の仕方、住人との接し方と挙げれば切りがないが、法規にははっきりと謳っていない部分もある。法規に照らさずとも危険行為と見なされるだけで、逮捕されるのである。

 
狩猟の徳義(1〜12の記述については大日本猟友会資料による)  目次へ
 ハンターとは、名誉を重んずる人格の持ち主でありたい。名誉とは、自身にかかわるすべての行為について、徹底した責任感の持続であり、そこには純粋な博愛主義があるはずで、人に迷惑をかけるなどという行為は微塵も存在しない世界である。それがすべての名誉の根幹をなすものであると考えたい。
 下記の内容は、(社)大日本猟友会がハンターのためにまとめた指導要綱の中から、その骨子を紹介したものである。エアハンター諸氏でも、装薬銃を一緒に所持している方も多いので、すべての銃猟について記述している。
1.狩猟鳥獣は,現在の狩猟者だけのものでは なく,狩猟の永続を図ることは狩猟者の責 務であるという認識を持つこと。
2.野生鳥獣の生息環境づくりに努めること。
 狩猟者は日常生活のなかで、実のなる木を 増やしたり,農林業の妨げにならない範囲 で採餌場を作ったりして,野生鳥獣の良好 な  生息環境づくりに努めること。    3.獲物の数を誇らず,無事故,無違反を誇り とすること。
4.狩猟鳥獣であることが確認でき,確実に捕 獲できると判断した獲物だけを撃つこと。
 銃と実包の威力を知り,遠距離の獲物に発 砲して,まぐれ当たりを期待したり,極端 に威力の乏しい実包を使用してゲームを半 矢にし たりしないこと。
5.半矢にした場合は追跡し,極力,回収する こと。カモなどは、撃たれてから数百mも 飛んで落下する場合もあるので,発砲後、 よく注意すること。またイノシシ、シカ、 クマなどは、特に半矢になりやすいので注 意すること。半矢の獲物は入念に追跡する
 ことが原則である。
6.先着の狩猟者の先回りをしないこと。猟場 で他の狩猟者に会った場合は,互いに狩る 方向を相談すること。
7.他の狩猟者が狙っている獲物には,銃口を 向けないこと。他人の狙っている獲物を撃 つことは危険でもあり、また礼儀に反する。
8.高速モーターボートなど、他の狩猟者に迷 惑をぼす恐れの多い乗り物を使用しないこ と。
9.他の狩猟者の撃った獲物が自分の近くに落 ちたときは、拾って引き渡すこと。もし半 矢で近くに来たときは、止め矢を撃つなど の始  末をして、引き渡すこと。また引き渡 しを受けた側は、その地域の慣習に従って 獲物の配分を行うこと。
10. 農耕地、林地、そのほか土地所有者の財 産に損害を与えないこと。狩猟のときばか りでなく、猟犬の訓練や運動のときもよく 注意 して、地元関係者から非難されないよ う十分に注意すること。
11. 所有する猟犬の管理に重い責任があるの で、猟犬の取り扱いには厳重な注意を払う こと。山野に飼い主不明の犬が増加し、そ れ が野生化して、人に危害を及ぼしている との情報がある。狩猟中に、愛犬が迷い犬 にならないよう気をつけ、所有者の住所、 氏名、  電話番号を明記した首輪を必ず付け ること。
 (イ)猟場付近に住宅、一般道路がある場 合は、猟犬に綱を付け、猟犬管理者の元か ら放さないこと。
 (ロ)不慣れな猟犬の使用は行わないこと。
 また安易な猟犬の借り貸しはしないこと。
12. 捕獲物については、山野に放置すること なく、補獲の目的に照らして適正に処理す ること(無断で放置すると罰せられるので 要注意)。
 (イ)捕獲物は丸ごと持ち帰る。
 (ロ)内臓を取り出す必要のある場合は, 取り出した内臓も持ち帰る。
 (ハ)イノシシ, シカなどは猟野で解体し たりして流水などを汚濁しない。
 (ニ)捕獲物を運搬する場合は,覆いを被 せ,他人に見えないようにする。


 出猟先の住民への対応
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 猟場でのいざこざは、時間が経っても思い出すたびに気が重くなってしまう。特にエアハンターは、その火中にある場合が多い。それだけ人に接近した状況が多いということであろう。ハンターにも言い分があると必ず反撃したがる私達であるが、言葉を発する前に、必ず心にとどめておいてほしいことがある。 それはハンター以外の人達は、そこで生活や仕事を営んでおり、めったなことでは、その場所から移動できない立場の人達だということを考えながら、事に対処していただきたい。ハンターは、いわばレクレーションとしてその場に居合わせた、よそ者としか住民からは見えない。そのような立場同士が話し合いしても、迷惑事件が起きた後では、ただ誠意を尽くして話しするしか、われわれを守る術はどこにもない。
 たとえ、その場では住民を言葉でやり返したとしても、その住人はハンターの意見に賛同しているのではなく、むしろ今まで思い描いていた非道な人間と、今まで以上に確信しただけなのである。このような事態が起きれば起きるほど、ハンターの社会的立場は悪化の一途を辿っていく。
 われわれハンターは、常に批判されやすい立場にある。一般の人達から見れば、われわれが銃を所持している事自体が脅威となっており、いくら正論を吐いても、その人達からは異端者と見られているのである。そして、われわれはごく少数派であることも認識すべきである。
 ここで一番大切なことは、われわれ自ら襟を正し、仲間同士でどう対処すればよいのか、どうあるべきなのか、再確認の必要な時期にさしかかってきていると思う。仲間だからこそ、注意すべき点を早い時期に喚起してやることが、本来の仲間である。
 若者を叱責する前に、自身を取り巻く仲間達に本当の情愛で相互の信頼関係を築かない限り、猟場周辺の住民や社会からの理解は得られないのである。
 
大事な自律自戒のモラル
初心者にとって狩猟鳥の見分けは、中には困難なターゲットもある。判別できないものには発砲しないことである。できれば猟場に「狩猟鳥獣図鑑」を持ち込もう。実際の光景は図鑑の表現とは相当な違いがあるが、その努力によって、正確なデータが脳裡に刻まれていくことだろう。
 また、発砲角度と、周囲の人家と人の動く配置関係を詳しく下調べしておくことが肝要であろう。そして、法は守るべき範囲の最低基準であることを肝に銘じておくことである。法律にはない、ハンター独自の決まりのような微妙な常識が、われわれの気持ちの中に宿っている。それはハンター意識の中で育ってきた法律外のもの、自律自戒のモラルがそれである。
 例えば、ハンターが長年大事に温存してきた猟場の情報を教えてもらっても、そのハンターの承諾なしには他言無用である点など、その代表格である。それを自分だけの常識や価値観に当てはめて行動することは、何代にも受け継いできたハンターの歴史を無視する行為ともなり、結果として不完全行為に結びつくケースにもなるのである。下界が一般常識であれば、山には山の常識が慄然として存在しているのである。
そして、人によっては超えにくい壁は、年齢が初心者より下であっても、猟場では先輩であり、その現実が最も素晴らしい内容であることに早く気づくべきであろう。
 空気銃だからと言っても、何も許容される甘い要素は猟場や社会にはないばかりか、装薬銃と何の違いもない現実を知ることであろう。
人家周りでの狩猟心得7条件
1.出会った人には挨拶できる機会をできるだけ多くつくること。
2.農家の人とは、特に親密に付き合うことに心がけること。
3.猟場の形態、状況は絶対に変化させないこ と。例えばゴミは持ち帰り、農作物や畦道 の形態を変えたり、 火を起こした痕跡など を残さないことである。やたらに焚き火を したがるハンターがいるが、よほどのことが ない限り慎むべきである。
4.車同士ですれ違ったら、必ず道をゆずる側になること。われわれハンターは、どんな事態でも人を押しのけて  でも実行しなければならない価値観は決して猟場には存在しないはずである。銃器を所持している者がわず か数十秒のことでいざこざを起こすよ うでは、ハンター失格である。
1.衣服や服装には細心の注意をすること。ど のような形態の格好をしても基本的には違 法となることはほと  んどないが、要は、相 手住民や通りすがりの人から、あまりにも異様な雰囲気または危険人物と見なされ   ないような、ある程度の調和を考えた猟装束で行動したほうがよいだろう。例えば、あまり極端なカモフラージ ュはハンター側の表現の自由を一方的に住人側へ押しつける結果ともなりかねない。今の日本では、どちら  かと言うと、ハンター側が住人に合わせたほうがよいいと思う。
6.刃物の携行を誰から見ても認識できるような形態は避けるべきである。どうしても自分の主義を貫きたいハン ターは、もっと広々とした山中や草原地帯で実行すべきである。エアハンターがおかれている立場は、非常に 微妙な状況になりつつある。装薬銃での大物猟とはまったくの別物であることを早く認識すべきである。猟場 によっては服装の形態などをその都度変更すべきである。特に食事に出向く場合には、他人へ威圧感を与え ない心がけも必要となる。
7.銃の携帯ももちろん、容易に他人から見られない気配りが必要である。たとえ猟場で あっても、場合によっ  ては銃カバーをしたままで歩いたほうが得策な状況もある。エアハンターの場合、咄嗟に撃たなくてはならな  い状況は、そう多くはないはずである。また、そのような状況下での訓練など、その必要性もないだろう。これ を押しての実行は大変な危険を伴い、本来のハンティングの意味からは逸脱してしまう。
 何か卑屈にも感じられる極端な表現となったが、このくらいの思い、感じ方をしていないと、いつか控えめな心 を忘れ、危険で迷惑な行為へ移行してしまう。
 特に複数での行動は、より目立つ行動になるので、互いに戒め合う協調性が必要である。どうしても面倒な  方は、平服と変わらない格好で、出猟地やゲームに即したアレンジをしても、それほどのデメリットはない。出 猟時に極端な格好を考えるより、獲物への接近術や射撃法を鍛錬したほうがよほど楽で、自然なかたちで楽 しむことができる。
 極端な格好とは、軍需用のカモフラージュ、目出し帽、シースナイフの着用などである。私も実行してみたが、 何か山奥で戦争ゲームをしているエアソフトガンファンみたいに感じ、すぐにやめてしまった。自身に合わない 格好は、その不自然さに影響して空虚な感覚がつきまとうので、可能な限り自身が納得した猟装束を心がけ るべきである。
 願わくば、これから猟期を重ねても、常に無事故、無違反の狩猟マナーに徹し、ハンターとしてのモラルを自ら 高揚してもらいたい。

 狩猟解禁前の準備と出猟対策
 何事もそうであるが、自身がライフワークとして最も積極的に考え、定着している趣味の領域は、最低限の計画性と目的をもって臨まないと、その一日が思考の低い行動となり、何のために自分がそこに立っているのかわからない存在感が生まれてしまう。
 ハンターというこの世では珍しく、究極の緊迫感と感動を与えてくれる趣味を志しているのならば、普段の生活程度の心配りではとうてい足りない内容がそこにはあるはずである。

 
解禁前の猟場の下見調査の重要性   目次へ
 誰に言われなくとも、この課題の重要性は理解できると思う。この下見調査の基礎固めに大切なのが、猟日誌をつけることである。そこに記録という資料に残す行為なくして、その先はないのである。
 日誌の実行によって得られる情報は、他人に見せたくないほどの大切な内容が蓄積していく。自身の気持ちが移り変わる様まで克明に記入していけば、それはもう猟日誌にとどまらず、人生日誌そのものに成長していく。
 解禁前には、などということに限らず、猟場を始終見渡して行けば、自ずと理解できる状況がいくつも気になり、さらに足を進める結果となる。また、いつも訪れるハンターには、そこに住む人達にも、熱心なその態度を理解してもらえる大きな機転ともなるだろう。
猟期しか来ない、知らないハンターの行為には、どうしても理解しきれないものが、そこには横たわっている。できれば四季折々の風物に触れ、狩猟を通してその土地や、人々の暮らしぶりを知ることである。土着の事象、人心を知ることで人生の窓口が広がるのである。
 もちろん、獲物に対してのアプローチも欠かさず行うが、そこで気がつく事実は、自身の目で見ることより、そこで生活、仕事している人達からの情報のほうが遙かに多いのである。
 知らない土地に行ったときは、必ず他人と快く話す習慣を身につけよう。自身だけで観察したものと、そこに生きている人々の感覚を共有したものとでは大きな差が生じてくる。そして安全面を考慮すると、その差はさらに広がるはずである。
 獲物の暮らしぶりや、付場などについて住人から情報を得るには、その聞き方も大切なテクニックである。もちろん、その前に人としての常識をわきまえたうえであるが。
 まず、獲物の種類、時間、季節による移動、変化、道路の変化、農作物の変化などの重要事項を日誌に前もって付けておけば、総合的に判断しやすくなり、分析能力にも一役かうことであろう。
 天候に関連して、獲物の動向にも気を配ることである。必ずしも穏やかな日だけではなく、荒れた日の動静についても日誌にメモできれば、さらなる目的に対しての精度が高まる。
 これらの一連した行為の集大成は、猟期が近づくにつれ、その具体性が要求される。今までの調査の成果がいかに反映してくれるか、それがまた大きな楽しみとなっていくのである。楽しみ方が倍加するわけである。
 いま国内のエアハンターは一段階ステップアップしようとしている。しかし、その条件の一つである指導者の欠如は深刻な状況である。この原因の多くは、エアハンターが宿命的に持っている気質に起因している。
 独立独歩の精神は、ある意味においては大変素晴らしい要素であるが、人のために仁慈を尽くす行為には少々軽薄になりがちである。
 初心のハンターが、師と仰ぐべき指導者を見い出す方策もなく、行き当たり上の気のいいハンターに、その価値を見い出そうとしても、そう多くの機会は与えられない。
 良き指導者の一つの目安は、この猟日誌を習慣的に実行しているハンターが、当初の資格条件となる。また、銃器やアクセサリーに造詣の深いハンターもその一人であるが、よく観察していただきたい。そのメカニックにこだわるだけで、肝心の狩猟感覚をおろそかにしている方もいるので、あくまでも狩猟についての造詣が深いことを主眼に、自身の身近な範囲からも脱却して、広い見地での見方と評価に徹することである。

 
猟場と標識の見極め   目次へ
 環境省が毎年発行している「鳥獣保護区等位置図」は、お世辞にも見やすいとは言えない。料金を徴収している以上、もう少し使う側に立った企画をしてもらいたいものである。  いつも行く猟場もそうであるが、初めて挑戦しようとしている猟場については、慎重な配慮が必要である。五万分の一の地図に出猟予定地を転写して、そのきわどい位置関係を明記してから狩猟に臨むべきである。どうしても不明な箇所があったら、関係当局に問い質すことがよいだろう。場合によっては担当者を呼んでの確認も可能である。
 出猟地では、写真のような注意標識をよく見かけるが、人家周りの注意を警鐘している事実は、エアハンターの良き猟場とも言える。と同時に、危険とも隣合わせだということも認識することである。
 ただし、この標識が古い場合は要注意、とっくの昔に銃禁、休猟、保護区などの撃てない区域に指定されて、標識だけが取り残されている場合もあるからである。標識の存在を楯に行政と争っても、時間はかかるし、思ったほどの効果はないだろう。概して行政当局は、こうした責任を、あえて実行している当事者に委ねられている場合が多いようである。 また、行政サイドで発刊された官報などでも、その年の許可範囲を指定、表明している限り、行政の不手際を楯にすることは、国民の安全を脅かす結果となり得るのである。つまり、その不備な点を逆手にとっての行為を助長すべきではないのである。
 銃猟禁止区域(銃禁)標識の向きに注意しよう。標識を背にしているエリアが銃禁のエリアになる。区域の境となるポイントは、道路、河川、山沿い、住宅境が主な線引き要領になっているので、その猟場に慣れるに従い、その意味とするところは理解できると思う。問題は、どのポイントが境になっているかであるが、不明なエリアには近づかないか、どうしても狩りたいのであれば、地方事務所などに問い合わせるべきである。
 銃禁の標識が立っている所は、反面、甲種(ワナ猟)の猟場になる場合が多いはずである。つまり、銃禁と指定している事実は、全面禁猟ではなく、銃による狩猟だけを禁止しているのである。
 エアハンターにとっての良い猟場は、銃猟禁止または保護区域に隣接した、きわどい地域がスィートゾーンとなりやすく、その現場に慣れるに従い、そのきわどいゾーンにハンターは接近を余儀なくされることも多いと思う。この撃ってはいけない地域は、ゲームにとっても必要な要塞であり、彼らが猟場と禁止区域を行ったり、来たりしていることからみても、子孫が絶えることを防いでいるのである。しかし、エキスパートエアハンターに狩られるケースでは、子孫激減の可能性が高くなることも事実だ。
 私の経験では、2年間の猟期でその地域の「年無し」と呼ばれている蹴爪の立派なキジが未だに影を潜めている現状は、これを物語っている。特にキジのような、比較的狭いエリアを習慣的に徘徊しているゲームは、大きな狩猟圧の脅威にさらされているとも言える。結果として、その地域には放鳥キジだけの生息にとどまっている。



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  04/05/05
 出猟時の猟装束を選ぶポイン
   目次へ
 すでに数年前になるが、(社)大日本猟友会から全国の猟友会会員に支給されたオレンジ蛍光帽およびベストは、エアハンターが装薬銃ハンターと同じエリアで狩猟をするのであれば、その安全性を考えての着用はぜひ必要だと思う。撃たれるという恐怖心の前に、撃たれない努力も必要であり、不幸にして不測の事態になれば、発射したハンターにも大きなダメージが待っていることなのである。
 以下、猟装束の機能性と安全性の面から選ぶ決め手について解説する。 
 猟服・ベスト 上半身と下半身を被覆する猟服などには、撥水性と通気性両面を兼ね備えたゴアテックスやシンサレート素材が、その世界を席巻している。しかし、この手の素材は、どうしてもゴワゴワしてしまい、音を発する結果となってしまう。最近は、その不具合を幾分消し去った素材も登場しているが、その耐久性は前者の比ではなく、どちらにするかはハンターに委ねざるを得ない。
 機能性を重視する場合は、可能な限り軽量化すべきであろう。また、良質の下着を着用することで、かなりの薄着が実現できる。
 安物の猟服では、どうしても厚着になるが、厚着しての行動は発汗の循環性に劣り、結果として体力消耗をきたし良いことはないので、待ち撃ち以外では、機能重視の良い製品を選ぶべきであろう。
 空気銃ハンターのタイプによっては、様々な行動様式がある。ほとんど平服と変わりない状態で十分な人もいることだろうが、その場合はできるだけ、質素で清潔感のある身だしなみに注意が必要である。まったくの平服では、あまりにも猟としての見識に欠けた状況であるので、気軽さもほどほどにすべきであろう。
 ここで猟服に対してのデザインでぜひとも必要な箇所は、ポケットである。ブルゾンタイプの斜めに入れるポケットは、手を暖めるだけの機能しか持ち合わせていない。ポケットは縦型にしかハンティング用はあり得ない。これは一番の収納能力と、確実な束縛機能に価値がある。大きさによっては獲物まで入れることが可能で、その場に応じて銃以外はすべてポケットに収納して、片手はいつでも自由にできることが猟の形態基本である。
 もしもハンティング用として販売しているブルゾン型があったなら、それはハンティングデザインを真似ただけの偽物である。<BR>
 下着類 高級化に伴い、その素材と機能性も格段に向上しているが、ことエアハンターにとってはほとんどの場合、身近にいつでも着替えられる環境を持っているので、よほどのことをしない限り、それほどの必要性は感じられないだろう。
 帽子 狙撃に邪魔にならない帽子の条件は、ツバのない帽子になるが、スキー帽に近い形態である。耳まで被せるので、防寒用には最適であるが、防水性のあるものは見あたらない。
 ツバのある野球帽は光りを遮断するが、藪などの障害物に触れると、脱帽されやすく、邪魔になることが多い。
 手袋 寒い地方ではどうしても着用したいが、小さな空気銃弾を手袋でつかむことは不便なのである。必要なときだけ指を露出できるタイプが便利であるが、手との密着感が悪いので、自分で手作り改造するとよいだろう。待ち撃ちには最適である。
 靴 軽くて、乾燥が早く、撥水性のあるものが良く、その多くはゴアテックス製品にある。編み上げのい、履きずらいタイプが勇ましく見えるが、エアハンターにとっては少々重装備に見えるので、渡河しない限り、短いタイプで十分なハンターは多いだろう。靴の重要箇所は、靴底であるが、登山靴ほどの重さと堅牢さはいらないが、ハイキング用ほどのボリュームで十分であろう。

 
出猟直前の銃種別の点検
 銃の点検の筆頭は、弾の有無の確認である。
二番目にエネルギーの有無である。エネルギーとは、弾を装填すれば発射可能となる状態であり、ポンプ銃では蓄気室(チャンバー)の圧力の存在である。ピストン銃では、スプリングの圧縮または気体の圧縮により、ピストンが後退しているか、どうかと言うことになる。
 プリチャージ銃やガス銃などは、シリンダータンクに圧搾空気または炭酸ガスが入っているか、ということの確認である。
 プリチャージ銃以外は、エネルギーのない状態でフィールドまで運ぶが、プリチャージ銃だけは圧搾空気が入ったままで、常時保管してあることが多いので、このプリチャージ銃には要注意である。国内で、このような状態を経験するのは、おそらくこのプリチャージ銃が初めてである。
 構造的な点検項目は、オイルが必要な箇所に給油されているか、点検する。

 
各部の点検箇所は  目次へ
 ポンプ銃 各摺動部に、適したオイルの給油がなされているかの確認(各種空気銃に共通)。特にピストン部には専用オイルで、しめらしておく程度に給油。ポンピングすると、蓄気室に空気が挿入されるときのキュッという音の確認が必要である。
 ピストン銃 中折れ式では銃身を折る支点となっているところの、センターボルトの緩みに注意。他の箇所のボルトについても同様。サイドレバー、アンダーレバー式についても同様な点検箇所である。
 プリチャージ銃(ガス銃) ポンプ銃やピストン銃のように、大きく動く構造ではないので、その点検はいたってシンプルである。あえて言うならば(ポンプ銃に共通)、弾を給弾するための、ボルト先端のOリングに少量の専用オイルが付着していること。銃のタンクへの給気用コネクター先端のOリングにも同様に給油することである。
 各種空気銃の出猟前の点検箇所を説明したが、機械物である限り、作動部と摺動部への給油が最も頻繁に点検するべき箇所である。オイルについては防錆油は厳禁であるので、よくわからない人は、シャープ・ポンプ銃用のシャープオイルを買い求めるとよいだろう。
 Oリング類へのオイル塗布は少量を付け、オイルで光沢が出る程度である。多すぎると良いことはまずない。オイルの欠如で、Oリング切れや空気漏れが起き、精度にも影響するときがある。
 
銃の予備品と携行アクセサリー  目次へ
 銃についてのものとなると、そう多くはないが、分解に必要な工具類、銃腔クリーニングキット、各種弾、携帯用銃カバー、レンズ拭き、スコープ・レンズカバー。プリチャージ銃では、移充填ホースキット、ダイビング・タンクが追加される。
 いつも同じ車であれば、小物は常時収納しておけばよいだろう。

  
弾を携行する容器の工夫  目次へ
 弾をよく見ると、何ともひ弱そうなものである。その独特な断面形状は典型的な先軽
(先重の間違いでした・・・増刊の際には訂正しなくては・・・)テルテル坊主型である。スピードが遅く、慣性力のないものなので、飛行中は何とか真っ直ぐ前を向いたままで無事飛行を終えてもらいたい、と願って生まれた形状である。
 しかし、その形状はいかにも空気抵抗には不向きな形状に見える。この形状の空気抵抗は相当なもので、その証拠に飛行中の風切り音「シュー」という音は考えている以上に環境を切り裂いている。「空気銃は音がしないから」などという考えはとんでもない間違いである。少々危険であるが、そこは何とか安全を考えて、一度風切り音を聞いてみていただきたい。 考えているだけでは、とてもわからない事実がここにある。
 この複雑な形状の弾は、見てのとおり傷つきやすくできているので、出猟時もあまり一つの容器に、多量に入れないほうが得策である。容器は紙製以外の金属製またはプラスチック製に限る。
 携行品の中に、弾を入れて常に携帯するパウチがある。ほとんどの製品が、紐がついており、肩から釣り下げる形態となるようだが、<BR>
これでは弾をさぐりとる際にパウチ本体が自由気ままに動いてしまい、大変使いにくいので、ズボンのベルトにしっかり固定できるものを自作するとよいだろう。
 これに格好の代用品がある。釣り道具にプラスチック製の餌箱が市販されており、バンドに装着できるので、この箱の中にハンモックのように垂れ下げて、箱の底に触れないよう柔らかい布を内装すれば、なかなか使いやすいパウチの完成である。
 また、これを小型化して、銃側面にマジックテープで固定して使う方法もある。ジャラジャラ動かないようにしたいならば、ゴム板に適度なサイズの穴をあけ、弾を止めておく方法もある。
 また、女性の化粧のごとく満遍なく弾をコーティングするルイベも市販されている。これなどは、これからの国内エアハンティングにどのような存在価値になるのか見守っているところである。これを使うと、確かに銃腔内が汚れにくくなり、日頃の手入れには役に立つものだと思う。この手の製品にテフロン系のパウダーや粘性のものがあるので研究の余地は大いにあるだろう。

 
猟場で役立つ携行品  目次へ
 ごみ袋、紐、針金、ビニールテープ、タオル、ポリタンク、携帯用応急セットなどが小物としての携行品であるが、狩猟用としての装備は、スコープ、双眼鏡、距離計などの充実が、思考性の高いハンターへの対応幅を広げ、より多くの向上チャンスとなる。幸い、昨今は光学品にいたっては革新的な進歩を遂げ、今までそう多くはなし得なかったハイレベルな行為が可能となってきている。
 これらの装備については、それぞれの課題で詳述しているので、ここでは出猟時には必携ともいえる備品について述べる。
 ナイフ : シースナイフ( 通常は革、合成繊維、プラスチックのサヤに納められ、抜くと刃がむき出しになる形態)と呼ばれる類のナイフは、危険性と一般人への脅威となるだけで、何の役にも立たない。50歳代以上の方々には「ボーイナイフ」と呼ばれた大型のナイフを思い出すことがあるだろう。これはアメリカの映画界に君臨した有名俳優が使った事で知名度が上がり、日本にも知れ渡った経緯があり、何となくその郷愁に憧れて携帯したくなるハンターも居るだろう。しかし、たまにその利用価値が見い出されるとしたならば、車に収納しておいても使える範囲でしか意味を持っていない筈である。
 北海道の友人であるシカ撃ちの名手は、数百円程度の小さなホールディングナイフで十分であるという。やたらに硬質な高級品より、少々ナマクラでも、その場で使用目的に合った研ぎ方ができ、ポケットに入る程度のものが良いとのことである。
 また、刃渡りの長いシースナイフは、ヒグマとの対峙の際、急所まで到達する長さが必要とのことである。実際の現場を走破してなくては吐けない言葉である。そしてナイフには必ず細めの丈夫な紐を付けておくことが、万一の不測の事態に対処できるそうである。
 エアハンターは深山(みやま)深く押し入るわけではないので、それほどの用意は必要なく、どうしてもという際でも車に置いておけば事足りる。
 腸抜きが付いている小さなホールディングナイフは必須携帯品である。丈夫なハサミなども、現場では重宝することがある。また、
ス−パーマーケットにあるビニール袋をいつもポケットに入れておくこともよいであろう。
 袋と紐類 これらは欠かせない携帯品である。物をまとめたり、人家のある周辺ではやたらに住人達を刺激しないために、射獲した獲物をその場で被い包むのである。また万一の止血や、銃の応急処置にも役立つ。
 車には、針金をいつも装備しておくことも良い対処方法である。楽しむための道具より、対処するための地味な道具のほうに気を遣うべきである。
 懐中電灯 車から遠く離れた距離を往復する場合、夕暮れまで短い時期には、どうかすると、暗くなるまでそこに留まることを余儀なくされる。形態としては、頭に固定できるものが遙かに便利なことがある

 
※空気銃猟の猟法と作戦上の決め手  目次へ
 道具とする空気銃は、その目的となるゲームを手中にして、初めてその道具が生かされたことになる。そうであれば当然、その道具の性格を知らなければならない。それは同時に、その限界を知ることにも通じる。
 限界を理解できると、再現性に期待できるようになり、一度あきらめた作戦を再度組み立て直し、実行する技量に通じてくるのである。
 
待ち撃ち/ その待ち場条件   目次へ
 待ち撃ち、これほど空気銃らしい、空気銃猟に相応しい猟法はないと思う。それは獲物が獲れなくては狩猟は成り立たないという大原則によった、賢明な手法だからである。これに精通したならば、今日は獲物を持って帰らねばというときには、大いにハンターの面目を保ってくれること請け合いである。
 まず、どこのエリアが一番効率よく獲物が渡って来るのか、あるいは付場とするのか、徹底した調査が必要である。この行為を怠ると、根底から待ち撃ちの決め手が欠如するので、その猟法そのものが無意味になる。たっぷり下見調査に時間をかけて実行することである。この猟場、付場さえ見つかれば、ハンターにとっての大きな財産となる。

 
良い待ち撃ち場の条件  目次へ  
1.矢先の安全を確保できる場所、角度でなくてはならない。これなくして待ち撃ちは絶対にあり得ない。このことを無視して実行したならば、多くの束になった弾道が人家や通行人に降り注ぐことになり、これほどの危険行為はない。まるで人を狙撃している行為そのものである。
 その行為には、意外と落とし穴がある。それはハンターからは見えない部分についての事柄であるので、実行する本人の危機感が大変薄くなることである。
2.対象となる距離がハンターの銃に適合していること。ガス銃など、あまり遠射に向かない銃には、そのレンジに合った猟場が必要である。
3.可能な限り動きやすい、少々動いてもゲームに気づかれ難い環境。また、たやすくその環境を整えられる場所。
4.ハンターの後ろが壁や大木、または少々へこんでいるなどで、暗い環境となっていること。
5.通行人や人家から見えないこと。
6.対象となる獲物のグループが頻繁にやって来ること。
7.常緑樹が少ないこと。
8.足場がよいこと。
9.回収しやすいこと。
 カモフラージュへの期待  目次へ
 カモ柄の衣服で住民や人が集まるコンビニなどに無神経な態度で接触することは、一般の社会習慣からすると奇異で異様な雰囲気にとられる可能性が残っている。地方のゆったりとした中にも、ハンターの存在にその環境が慣れているのならばよいが、エアハンターの環境には、それほどやりやすい環境は少ないと思う。
 ここに取り上げるカモフラージュは固定された極地的な手法であり、その現場または直前に支度を整えて行う方法である。
 細心の思考と計画性をもって実行してみるとわかるが、この猟法で大切なことは、場所の選定と、その人の辛抱強さが大いに影響してくることである。
 昨今の狩猟にまつわる話の中で、オレンジ蛍光色の装備を義務づけようとの意識が強くなっている。この傾向は、狩猟の先進国としての威信がかかっているがごときの普及率を、目標としているように見える。確かに世界的にも狩猟は急速な普及を示している。しかし、海外での普及は主に装薬銃による猟であり、空気銃猟には、それほどの普及はない。 このオレンジ蛍光色の装備は、鳥猟については不利になる可能性がある。それは四つ足は色盲で、その色は見分けられないが、鳥類は見分けるのである。科学的な見地では、人の1.5 倍ほどの色感知能力があるとのことであ。
 そもそもオレンジ蛍光色の目的は、ハンター同士での撃ち合いを防ぐことであり、ハンティングに関係ない一般人には、この装備はないので、狭い国内のこと、ハイキングでハンティング現場に進入した一般人は、最悪な事態なのである。さりとて、一般人を進入禁止しているフィールドは、有料の一部猟区以外には見当たらない。
 一般人には好きな服装で危険性を増し、危険の権化であるハンターだけを守ろうとしている現実は、世間ではとうてい納得してもらえない、大変矛盾している事実である。エリアを分けることのできない狭い日本では、深刻な問題に発展する可能性を秘めているのである。
 エアハンターとしても、カモフラージュはそれに真っ向から盾突く仕業となり、困窮しているのが現状であるが、帽子や腕章などに派手な色彩をほどこすくらいの配慮は必要であろう。
 射角のほとんどは水平線より高い角度になるので、ハンターが狙撃する各ポイントをどの範囲に設定するか、初めに決めておく。それは危険性や、回収性を考えたうえでの設定であるべきであり、この範囲内での捕捉に心がける。それ以外のエリアについては無視できる強い信念が、ひいては効率のよい手法にもなる。こうしたことは、そのハンターが経験を深めることで理解できるようになっていくであろう。
 決して、退屈まぎれに何でも撃ってしまうなどという行動に移行しないように、自身をコントロールしなくてはらない。これほど自己を見つめる機会はそう多くは経験できない行動なので、自身との葛藤そのものが、この待ち撃ち猟なのである。

 
カモフラージュ・ネット作戦  目次へ
 アメリカなどでは、昔からハンターが楽しんでいるカモフラージュ作戦である。たためば傘ほどに小さくなり、即座に身を隠す鳥屋が完成するのである。この設営の留意点は、陰で暗くなっている所が良く、上空からも鳥から認識されない環境を確保することがポイントである。
 ネットはピンと張らず、垂れている部分から銃口を突き出し、帽子なども配慮すればその効果は向上する。銃の架台になるような枝と小椅子を用意し、長い緊張に耐えられる支度が肝心である。すぐ飽きて15分程度の待機時間では何の価値もないので、少なくとも1時間は辛抱して、その地点での獲物の動向を静かに観察してみよう。
 獲物は獲れなくとも、ハンターがじっと一箇所に留まっていると、今まで見たり感じたりしたことがない経験を、きっとすることだろう。そして一番尊いことは、静かな環境を作ることが、ハンターにとっていかに必要であるかが理解できるようになるはずである。 辛抱強く待機しているうちに、通過していく鳥達が、時間によって一つのローテーションがあることに気づくかも知れない。そして自身が考えた特別仕立てのカモフラージュ効果が、どれほどのものであったかも判定できるであろう。われわれハンターは、獲物を獲るだけの楽しみに終わらないことにも、その発見によって開眼していくことだろう。
 (注)カラーページの「エアハンターのカモフラージュ・ネット作戦」参照。
 
忍び撃ち/ 接近のテクニック  目次へ
 忍んで行き、射程内に獲物を捕捉する行為であるが、「言うは易し」であり、実際に行うと逃げられる確率が一番多い行動様式である。その原因の多くは、ゲームがジッとしているのに、ハンターが動かなければならないその事情にあり、最も困難な手法と言える。
 ネコ科の動物が獲物に接近するときの動作を思い出していただきたい。彼らがまずやることは、できるだけ静止している時間帯を長くし、全神経を獲物に注ぎ、観察している。この要領で、ゲームが動いたらハンターは最高のタイミングで静かに近づく。ゲームが瞬間的にこちらの動きに注視したときに、間髪入れずにハンターもその時点の形のまま、凍結したようにピタッと動きを止める。まるで8mm カメラを停止した状態である。
 ネコ同様、片足を上げたままで停止しなければならないことがあるかも知れない。地面に足を下ろした途端、ゲームは一目散、なんてことが多いものである。従って、下半身の動きは可能な限り小さく、いつでも停止可能な状況にしておかなければ、とても相手の動きに追随できない。要するに、小刻みな歩調をとるしかないのである。
 この辺の感覚を実行できるハンターは、まずいないだろう。ここで必要な要素の第一は辛抱、このひと言に尽きる。これこそ単独猟でしか味わえない特別な行動様式である。
 キジなどは、午後1時から昼寝時間である。彼らはその最も危険な時間帯を木や灌木の根元に寄り添うかたちで、木化けしていることが多い。この時間帯はポイントが限られるのである。「動きがないので見つからない」などと言わないで、昼の弁当を食べ終わったならば、木化けの捜索を始めるのである。
 双眼鏡で遠くの目標を発見できたならば、しばらくは小躍りして、大喜びすべきであろう。最も楽しめるドラマが展開するのである。匍匐前進してでも、にじり寄るチャンスである。少し進んでは意識的に止まり、それを辛抱強く繰り返すことが、大いなる感動の始まりなのである。
 彼らが午前中採餌しているときも、同じ効果を生む。採餌という、はっきりとした行動をとっているときは、その行動を突然やめたときが、ハンターの動きも止まるときである。
 ゲームが動くことは、ゲームが抱いている欲求を満たすことである。その僅かな時間帯は、ハンターへの注目度が通常より低いと思われるので、ハンターはすかさずその時間帯に行動するわけである。この時間帯しかハンターが動くことは許されていない。しかもゲームがキッと緊張する以前に、ハンターはすでに静止していなければならない。そうこうしているうちに、ハンター以外の要素に邪魔されたりすることもあり得る。
 しかし、この長い緊張感の果てには、すがすがしい満足感も同居していることも確かである。その一つに、残念、悔しいという感覚が入っていたならば、最高の一日だったことになる。満足感の内容には、このような気持ちを持てることがエキスパートの要素でもある。
 このプロセスは、感じようと思ってもなかなか素直に感じないものであり、それを感じるためには、長く苦しい時間帯と無数の現場を走破してこない限り遭遇できないだろう。

                  


           さあ、これから ひと踏ん張り





  更新 2004/11/30


 
※流し猟/ 車の活用と問題性  目次へ
 通常の流し猟は、車を利用した捜索によりゲームとの出合いに期待する猟法である。もちろん歩きながらの流し猟も考えられるが、この手法も難しい部分を残している。
 実猟野では、ハンターの動きが多いほど、ハンターには不利となる。しかし、車の動きそのものは、それほどの緊迫感を獲物に与えないので、獲るだけの目的にはかなりの効果が期待できる。ただし、あくまでも獲るだけの要素しか持ち合わせていないので、それほどの満足感は得られないだろう。偶然の出合いに頼った猟法の宿命である。<BR>
 この猟法の最大の落とし穴は、あまりにも多いポイントを巡回して行くために、一つ一つのポイントにかける時間、気持ちに余裕がなくなり、飽きてしまって、すぐに次のポイントに移動する癖がついてしまうことである。<BR>
それによって獲れるハンターは、その猟法が自身にとって最適かつ唯一の猟法となってしまい勝ちである。<BR>
 本来のエアハンターの道は、それだけではない。もっと奥行きの深い部分が幾重にも重なって織りなす精神的な満足感の世界が広大に広がっているのである。<BR>
 私の拙い経験談を話そう。<BR>
 たまには私も初心者との共猟もする。ある初心者が、どうしてもキジが獲りたいが、獲れない悩みを打ち明けるので、私のいつも行く猟場へ案内し、車を使った流し猟を行った。幸い二つのキジを近距離で撃たせることができたが、二度とも半矢になってしまった。半矢も、そのハンターが成長するうえでは仕方ない通り道であろうが、その人が帰りの道中で言った言葉で、私は深い嫌悪感に苛まれたのである。<BR>
 「キジはいつもああやって車から撃つのが一番いいのですね」私としては、どのような方法でも一回獲ることを経験させれば、精神的な落ち着きをとり戻すのではないかと勝手に解釈してしまった結果、とんでもない誤解を生んでしまったのである。つまり、この道の初心者に、われわれが常に流し猟で満足していると思われてしまうことは、非常に低レベルな楽しみ方をしていると言われていることなのである。<BR>
 われわれハンターは、趣味として楽しみの範疇で狩猟をしており、決して生計を目的としている職業猟師ではなく、数にこだわる必要性は基本的にはまったくない。それよりも、その日一日どれだけの緊張感と興奮の連続で体感した満足度が、どれほどのものなのかを感じ、知らなくてはならない。アマチュアハンターである限り、数にこだわるほど半矢の数も増加していき、結果として殺りくという状況になる。ゲームは敵ではない。天然の中に育まれ、生きようとしていた生命体なのである。<BR>
 長い狩猟人生を送ってきたハンターに、信仰的な精神構造が自然発生的に芽生えてくることは、ハンターにとっての心のよりどころなのかも知れない。


 
※ゲームの捜索活動とテクニック  目次へ
 捜索というと、捜索者の一方的な立場だけを指す表現に感じるが、猟における捜索の基幹をなすものは、ゲームからハンターの発覚を未然に防ぎ、発覚してもゲームとは何ら関係のない目的を持った者としての振る舞い、演出を言うものである。<BR>
 従って、ハンターが獲物を意識しての行動は、常に、すべてが静寂の中でゆっくりとした動き方に終始するのが本道であり、いたずらに早い動きを誘発する原因を排除してからの行動開始となろう。<BR>

 
時期天候別に見た捜索の要点<BR>
 すべてについて、その現場を知ることからが原点となる。特に猟期以外の時期にでも、その猟場を訪れ、猟期前にはどのような状況であったのか、わずかではあっても、そのわずかな過去を知ることも、やがて訪れる疑問符にも答えが出ることだろう。<BR>
 猟期になって狩猟日誌に目を通していると、見えてくるものは、考えもしなかった、大きな価値観の発見であるに違いない。<BR>

 
時期別捜索の要点<BR>
 
解禁当初 確かに獲れやすい条件は多いが、その前に、猟期前に訪れて感じたこと、考えたことを猟場の中で確認してみよう。<BR>
 さて、獲物はどの方向へ移動しているのか、どうしてそこにいるのか、自分なりに考え、判断してみよう。何か一定のリズムがその地域にありはしないか、その見極めが、後にくるエキスパートへの架け橋なのである。<BR>
 だだ、その猟場に行って、いつものとおり行動するのではなく、もっと時間をかけてフィールドをなめ回してみよう。<BR>
 こうした行動と考え方は、初猟期にしかできない重要課題である。この意味が少しでもわかってくると、今まで何猟期もただ平淡にフィールドを通過して来た自分の存在に気づくはずである。ハンターの感受性によって、この分野はそこはかとない深みと個性が噴出してくるジャンルであり、ここまでくると、そのハンター自身だけの世界となろう。その深みが深いほど、他のハンターには理解は困難となり、それを楽しむのが、エアハンターの真の個性である。<BR>
 この時期は獲れて当たり前の環境である。だからと言って、多人数で貴重な猟場を踏みならすような事態だけは避けるべきである。<BR>
筆者自身、今となっては取り返しのつかない多くの過去を背負っている。<BR>
 ハンティングをただの娯楽と考えているハンターと、生涯のライフワークと考えているハンターとの間には、相当の違いとなり、空気銃の距離感に匹敵するほどの差が起きているのである。それは猟場への配慮に必ず現れてくる。<BR>
 初猟時期には、必ず主だった猟場の人家に立ち寄り、挨拶しよう。他人と挨拶できないようなハンターとの同行は避けるべきである。<BR>
生涯のライフワークである意味は、他人との接点でもあることを強調しておく。自身だけですべての狩猟が上手くいくなどと考えているハンターは、通りすがりのハンターに過ぎないのである。この時期を人との交流の機会として出発するのが、初猟期である。<BR>

 
中盤期 初猟期に落ち着いて考えたこと、感じたこと、農家の意見を聞いたこと、などが生きてくる時期である。ハンターが繰り返し踏み込んでくる回数が増えるにつけ、ゲームの危機感は募っていっており、個体数の減少が顕著に現れてくるかも知れない。<BR>
 しかし、そのポイントで一つの個体を獲ったからと言っても、その地点がゲームにも大切な領域であれば、必ず替わりのゲームが訪れているはずである。ただ、身を隠すボサも少なくなり、ゲームは同じボサでも最深部に潜んで、ハンターを睨んでいるかも知れないのである。いよいよ遠い距離からの、双眼鏡による捜索シーズンの到来である。<BR>
 ゲームの発見に伴うハンターの行動は、前述の静寂の中に身を没しての行動が常となってくるだろう。<BR>
 遠方からゲームの発見によるアプローチ、これほど苦労と感動が同居している環境も希であろう。しかし、その感動の一瞬だけに望みをかけての意思決定は、自身の世界で決まったことであり、やり通すしかないのである。なにせ、自身にはごまかしはきかないのである。<BR>
 たまには、上空に注意しよう。特にタカなどの猛禽類には、いつも注意すべきである。今日は何で獲物との出合いがないのかと感じたならば、さまざまな要因に思いを巡らしてみよう。このようなときには、どこにゲームがいるのか、考え、感じるよう心がけていこう。いつも感じる努力が積み重なっていくと、必ず何かの副産物が見えてくるものである。<BR>

 
終盤期 この猟期の総決算である。今までの積み重ねに何らかの関連性を考え、持続してきた結果の反映がこの時期に否応なしに現れてきている。平坦な考えと思い、悩みながらの行動様式には、自ずとその違いがあちこちに点在している。<BR>
 一つ一つのポイントを眺め、巡るうちに、その地点で生まれた感動と落胆が、自身で開拓した証しとして、そこに想い出されてくることだろう。撃ち逃した弾痕の痕跡を辿っていくと、そこから得られた光景は、そのハンターの歴史の中の感慨として蘇ってくる。<BR>
 この頃ともなると、獲物との出合いは、小物主体となっていく。寒さも厳しく、採餌に苦労している小鳥たちは、大きな集団を作り、ハンターからの視認の中心は、キジバト以下の小鳥にターゲットを移さざるを得ないのが通常である。しかしながら、獲れるハンターにとっては、大物の射獲率は落ちても、獲れるのである。それはそのターゲットの動向を逐一知っている証しであろう。<BR>

 
天候別の捜索の要点<BR>
 
晴天の日 初猟の時期には獲れても、中盤以降は獲れにくいとされているのが、この環境である。確かに太陽に曝されている猟場では、ターゲットからすると緊張の時間帯が多くなり、ハンター以外の人達の行動も活発になるので、獲物自身も落ち着かない日となる。<BR>
 しかるに、ゲームは限られたエリアにひっそりといるのかと言うと、意外とそうでもない状況は多いもので、そのポイントと時間帯をハンターが理解していないだけなのである。ゲームは消えるはずはないのである。<BR>
 晴れの日はゲーム自体も緊張しているが、ポイントを絞れるには、ハンターに有利なのである。そのことを消化してから臨めば、それほどの違いはないはずであろう。<BR>

 
降雨直前 雨の日は彼らとて、いやな日であるが、それより人の往来が少ないことで、彼らの緊張感はなくなっていく。どしゃ降りの雨の中のキジの猟獲はあまりにも有名な話であるが、ハンターさえその天候でよければ、獲りやすいのは事実である。<BR>
 しかし、一番ハンターにとって好ましい環境は、これから雨が降ってくるという直前であろう。彼らもいやな雨降りの前に、なすべき採餌を最優先にしたいからである。いつも大物との出合いが薄いハンターにとっては、仕事を休んでも行きたい日となろう。<BR>

 
降雪直後 ほとんどの機会は朝の気持ちのよい時間帯となる。キラキラ光る景色を楽しみながらの猟は、いつもとはまったく違う環境であり、気持ちも大いにリフレッシュできる日となる。<BR>
 地面に点在するすべての餌は消され、ゲーム達にとっては、最悪の環境である。雪が積もり切れなかった灌木の下に、それぞれの個体はじっとしている。そっと覗いてみよう。暗い中に何かがいる。太陽が少しずつ上がってくると、彼らも冷えた身体を温めるために、必ず日光浴に出てくる。<BR>
 しかし、それほどの広範囲にはおよばず、寝場所の近くが降雪直後の行動範囲であるので、どこにいて、どのような移動を繰り返しているかを前もって知っていなければ、偶然性に頼った猟にしかならないであろう。<BR>

 
双眼鏡ならではの捜索法<BR>
ライフルと比べると、射距離の短いエアハンティングには、双眼鏡はいらない。むしろ自身の目を獲れる目に鍛錬したほうが、より趣きのある狩猟となる、という考え方も十分頷けるし、説得力もある。<BR>
 しかし、この条件で成り立つそのエリア、視野については、ごく狭いエリア、つまりゲームがすでにハンターの存在と、脅威を感じてしまっている範囲での狩猟に、ほとんどが限定されていることに気づくべきである。<BR>
 狩猟とは、広大に広がっている大自然との対峙を具現化したドラマである。その道具がエアライフルになったからと言っても、その要素の違いはまったくない。要素とは、ゲームを手中にできるための環境をハンターが自ら作り出し、ハンターの都合のよい地点にゲームを留め、または息の根を止めるための方策である。ゲームのサイズに違いはあっても、その脅威から逃れようとするゲームが感じる危機感は同じはずである。<BR>
 双眼鏡が必要か必要でないかは、ライフルでのハンティングと同様に、ハンターによっての選択にかかっている。要するに、近視眼的な要素の中での狩猟で満足するか、もっと大きな規模と視野で楽しみたいかの問題である。<BR>

 
小さなエリアで広い視野の楽しみ方<BR>
 実は双眼鏡の効能は、狭く小さなエリアでも広大な環境に浸ることが可能なのである。例えば、畑100 坪ほどの限られたエリアも双眼鏡を執拗に覗くことで、それが可能となる。<BR>
 前者の遠くからの捜索で、獲物に気づかれない地点から視線を浴びせ、発見した結果、多様で個性的な作戦により攻める方策とは異なり、すでにゲームがハンターの存在を感じている環境下でも、たとえ小さなエリアでも、その遣り取りは長時間の緊迫感をもたらし、多くの楽しみと満足感を与えてくれる。<BR>
 それは「猟法と捜索視線」に双眼鏡を利用することで大いに楽しめる。ゲームの行動パターンによっては、攻める時間帯をずらしたり、休憩を故意に設定したり、別の機会に温存したりと、多くの選択肢を持ってすれば、その思考は自ずと高度な楽しみ方にハンターを育てていく。ハンターとは、指導者に育てられるのではなく、自身が育てていくものなのである。<BR>

 
双眼鏡捜索に慣れよう<BR>
 双眼鏡をいかに使いこなすか、それはハンターの広い視野での考え方が必須条件となるかも知れない。双眼鏡に慣れないうちはどうしても、その価値、将来性が見えてこないもので、単なる覗き趣味レベルでの時間が流れていく。それなりの考えで発起し、初めての使用ではそれほどの効果は望めないかも知れないが、できるだけ長時間覗けるように自身をしむけることである。<BR>
 ここまでの行程に到達できたハンターは、その道具の光学性能に気づくかも知れない。 目ヤニや、疲れが短時間でやってくるようならば、双眼鏡の調整、またはそれ自体の性能を疑ってみるべきである。長時間の使用には向かない安物では、ハンターのやる気を喪失させてしまう。<BR>
 畑の奥からハンターを睨んでいるゲームの一角が、その視線に触れたなら、もはやそのハンターは双眼鏡のビギナーではない。さらに辛抱強く凝視していると、ハンターは自然とその中の光景から何かの情報を得ようと心がけながら、肉眼からは想像できない微妙な異変に気づくことが度重なる。「それはいったい何なのか」この深く感じようとする感覚が育っていくのである。<BR>
 双眼鏡捜索を心がけているハンターは、各猟場ポイントには、ほとんどの時間を双眼鏡に費やしているので、当然、その双眼鏡には良質な光学性能を望んでいる。<BR>

  
単独猟法の捜索例と捜索角度   <BR>
装薬銃の大物猟と空気銃猟を比べてみると、その相違点は多技にわたっている。獲物のサイズ、ハンター同士のかかわり、複数人員の構成の形態と、数えあげれば切りがないくらいである。その理由の一つのは、フィールドの規模の違いが一番大きな要素となっていることであろう。一つの個体(対象鳥獣)の判別、認識、段取り、捕捉と、それぞれの欠かせない作業には質の違いはあっても、基本的には同じ価値観を持っている限り、そう大きな違いはない。<BR>

 
捜査線で猟場をなめるーー <BR>
 フィールドの大小の差は自ずと行動様式の違いとなり、体力消耗の差となる。特にイノシシ猟と空気銃猟の違いはまさに体力消耗の差が広がり、前者は身体全身でフィールドに対峙しない限り、多くの期待には応えられないであろう。前者のあまりにも大きな犠牲を覚悟で行うイノシシ猟と比べると、後者の空気銃猟は何とも慎ましく、地味な猟であろうか。<BR>
 しかし、空気銃猟の行動学は、この慎ましさが一番大切な要素になり、慣れるに従って単独行動を好んで実行するハンターが多くなる。このときの慎みが、特に生きてくるはずである。<BR>
 決して他人への自慢や言い訳を意識する必要もなく、平然と現実を直視しながら自身の力量だけで獲物と対峙する様は、これこそ男のロマンそのものである。いつも複数で猟をしているハンターには決して達成できない、空気銃猟の一番美味しい部分である。そして、単独猟には慎みなくして安全と射技の向上はないと言える。<BR>
 フィールドが小さいということは、段取り次第では相当の要素を自身の猟法に組み込むことが可能となる。獲物を目で捕捉し、狙いをつけるその行為は、獲物とハンターの目の間に視線という一本の線が存在している。これは、その前に何らかの捜索行為を自身で組み立てた結果として成り立っている。<BR>
 狩猟においての一番充実感を味わえる要素が、この捜索の組み立て行為である。捜索する目を捜索線とすると、個人的な差が相当大きくなる。<BR>
 キジ猟を例にとると、一つのポイントにさしかかり、しばらく静止した状態で首だけゆっくり回しながら、捜査線がフィールドをなめて行く。気になる不自然な物体に触れたなら、時間の許す限り凝視し続ける。さらに別の地点に対して同様な行為を浴びせて行く。これは私が習慣的に行っている単独猟の手法である。これ一つとってもおわかりのように、単独だからこそ、この理想的な捜査線を落ち着いて実行できるのである。 <BR>
 さて、数回にわたる捜査が一巡したなら、どうすればよいのだろうか。ほとんどのハンターは、このポイントには獲物なしと判断して、別のポイントエリアへ移動してしまう。果たして、このポイントはその程度の価値しかないのであろうか。いや、そうではないと判断したならば、さらに違う角度から同様な視線を浴びせてみよう。<BR>
 この試みを辛抱強く、執拗にできる気構えができたなら、必ずその成果はいつか見えてくる。たとえ獲物を取り逃がしても、それ以上の成果と、その日の充実感はあるものである。獲物より、自身の信念が結実した瞬間であり、決して偶然性に頼らない、自分だけの空間を得た本物の満足感である。<BR>

 
捜査線の立体的捜索のすすめ<BR>
 ハンティングでの捜索線は、宅急便のような単調で平面的な考え方はあり得ない。他人から見れば異様な行動に見えるかも知れないが、われわれが対峙する獲物は、攻撃しないかわりに防衛一辺倒に徹して暮らしているのである。反対に、攻撃性を持つ相手ならば出合うチャンスはまったく違う条件となるが、ハンターは命を賭けての戦いともなる。神が仕組んだバランス的配慮かも知れない。<BR>
 防衛に徹している相手とは、発見し難い環境を自ら作り出す天才であり、ハンターにはとても理解し難い行動パターンを武器に行動している。ハンターは、それに対して可能な限り有利なポジションを考える必要性がつきまとっているのである。<BR>
 捜索線をさらに拡大した場合が、車や樹木を利用した立体的な捜索である。車のルーフ上から見下ろす視線は相当な効果を発揮する。今まで気にも止めなかった光景が、意外と最良のポイントの発見にもつながる。防衛一方の相手からは、思ってもいなかった角度なのであり、キジにとっては学習していない範囲からの攻撃は、最悪の弱点となるのである。<BR>
 上からの視線に対して、逆に下からの視線もある。地べたに這い蹲った匍匐の形態である。距離によっては相当の覚悟が必要であるが、その見返りもそれなりの効果が大いに期待できる。相手からすると、ハンターの大きさ、形状、すなわち立っているときの高さがハンターなのである。匍匐前進して来る何者かは、あくまでも「何者なのか?」と、キジは感じ、迷う時間帯が必ず彼らにあるのである。<BR>
 この方法で2mまで接近し、キジに飛ばれた苦い経験がある。この手法には、ある距離まで身を屈めて近づき、最後の詰めで匍匐に切り替え、確実な射程でチャンスを待つことになるが、早い動作は禁物、近づき過ぎないことである。<BR>
 この手法で一番厄介な問題は、匍匐のままでは前に点在する草やブッシュが必ず障害となることである。このとき多くの場合、膝撃ちの姿勢となるが、大きめのブッシュの陰に沿って可能な限りゆっくりと半身を立てて行く。それもスコープで相手を捕捉しながらが最適である。<BR>
 この環境で、いざやってみると相当な段取りを心がけないと狙撃にはいたらないことがわかる。この手法は近づくより、最後にくる発射に導く動作のほうが難しいのである。一度、フィールドでシュミレーションしてみると、よくわかるはずである。<BR>
これほどの苦労して獲ったときの充実感は、いずれのハンターも必ず感激してしまう。これも単独猟の醍醐味の一つである。<BR>
※追跡の手がかりをつかむ<BR>

  
鳥獣の足跡と判別<BR>
猟場での足跡の存在は、そこに紛れもなくある個体が生息していた証拠である。いくらゲームが身を隠そうとも、ハンターにとってその情報は、その日が暮れてもハンターの脳裡に焼き付いていることだろう。<BR>
 足跡を見分け、追跡行動に移るその様は、永い時を超えて人類が受け継いできた狩猟家の遺伝子であり、ハンターの本能になっている。<BR>
 足跡のどこをどう観察するか<BR>
 その足跡の持ち主は何であるのか 最も重<BR>
要な判別行為である。「足跡」の図を憶えていただきたい。そして、獲物を獲ったら獲物の足を地面に押しつけ、その獲物の足跡を確認、保存しておこう。できれば石膏によってその足形を採れば、これほどハンターの記憶を完全にをにたたき込む方法はないだろう。ハンターにとってのターゲットであれば追跡行動に移る。<BR>
 通った時間帯はいつ頃か 真新しい足跡であれば当然、その近くに潜んでいるかも知れない。しかし、それはターゲットによる。一番発見する可能性が高い獲物は、キジ、コジュケイなど、限定したエリアを持っている動物達であり、おおよそ決まった時間帯をそのエリアで過ごしているのである。<BR>
 キジバトやヒヨドリなどは移動範囲が広く、少々の変化を察しただけで移動してしまうので、5分前に存在した形跡があっても、あてにはできないのである。とにかくメモしておこう。その時間を記憶することによって、各ポイントの移動状態を前もって察知できるのである。特にコジュケイなどは、一定期間を同じ時間帯、同じポイントを通る可能性が高いのである。もちろん、キジも同様である。<BR>
 向かって行った方向は 彼らにとって、その日の歩行が、いつもどおりの安全な一日であれば、同じポイントを通過する可能性は大きい。しかし、何かしらの異変があれば即座にその方向を一時的に変更したコースを辿ることになる。その緊張感と危機度によっては、ごく近いポイントを通ったり、反対に彼らが極端な恐怖を感じたならば、数日間、そこは通過しないかも知れない。<BR>
 ハンターとの遭遇によって、ハンターの恐ろしい行動は、臆病な個体にとっては記憶が薄れるまで、そのポイントには近づかないのである。従って、ハンターはいたずらにゲームに恐怖感を与えては、獲れる相手でも獲れなくなっていく図式になるのは当然の結果である。<BR>
 ハンティングとは、その日だけが決着の日ではなく、その日の記憶を先送りして、次の出猟機会に見つけるまで執拗に追い続けることが、ハンターの本質なのである。その日だけの勝負師は、パチンコ屋に行く行為と変わらないのである。<BR>
 ハンターは、そのゲームが平常心を持って行動しているときのコースを見極めるべきである。それが最も効率の良い発砲チャンスを生み出すのである。そのためには、どの方向に進んで行ったのかを、いつも観察すべきである。<BR>
 歩いていたか キジなどは自身が見え隠れするボサがないところでは、必ず走る。走らないのは降雪や雨降りの環境だけであり、それ以外の日はとにかく走って、安心できるボサの近くまで行くのである。従って、何の遮蔽物もない畑などでのキジの射獲は、ほとんど不可能に近いのである。それも近距離ほど、その難度は増していく。<BR>
 足跡の間隔と深さによって、ある程度の判断は可能であるが、土面の堅さに大きく影響するので、土の乾燥度にも気配りが必要になる。<BR>
 走っていたか 明らかに走っていることが判別でき、その地点がボサの周辺であれば、ゲームにとっては居心地が悪い、何かがあったのである。その状況下、つまり危険を察知したときは、どの方向に移動するのか見極めよう。ボサにいながら走ることはほとんどないが、彼らにとってはよほどの事件である。
 足跡から得られる情報は、ターゲットによっては相当な価値観をハンターに与える。その価値を我が物にするには、追跡猟というハンターとしての頂点に挑むことになる。四つ足猟だけの世界ではなく、鳥猟にも足跡を辿っての追跡猟は存在している。この猟法は視覚での情報であり、その繊細な判断力は人間しかなし得ない行為である。<BR>
 追跡猟は最もハンターの技量を問われる、高度で奥行きが計り知れない行為であり、これこそハンターの本質に触れることのできる猟である。<BR>

 
ゲームの小鳥と類似種をいかに識別するか<BR>
 空気銃猟の場合には、群れに撃ちかけるということはまずないが、散弾銃を使用して群れを狙うとき、思わぬ誤射が発生する。<BR>
小鳥猟で、誤射してしまいそうになるのは、どんな場合だろうか。<BR>
 雪の降った後、一面白くなった上に顔を出している枯れ草の実、それをついばむスズメの群れに一網打尽を想い描き、すかさず発砲してしまう。数羽から、多いときには十数羽が被弾して落ち、半矢の鳥がピョンピョン飛び跳ねているのを回収に行って、ちょい毛色の変わったのが混じっているのに気づく。「あれ、これはスズメの雌かな?」と、自分を納得させても、すでに手遅れである。狩猟法違反である。<BR>
 あたりを見回して、だれもいないのを確かめ、「毛色の変わったスズメ」を埋めてしまう?それでも後ろめたい気持ちは残る。空気銃猟でも、種の判定を正確にしてから撃たないと、誤射の結果は同じである。<BR>
 誤射の罪悪感にさいなまされないためにも、また長く狩猟生活を続けることができるためにも、ゲームを確認して射獲するために注意する点をあらためて見直してみよう。<BR>

 
誤認しやすい小鳥の識別点<BR>
 スズメと誤認しやすい小鳥としては、体のサイズが同じくらいの鳥となる。ムクドリやキジバトほどサイズが違うと、まず見間違うことはないだろう。さらに猟期中は同じような場所で生活している鳥達である。<BR>
郊外や田園地帯でスズメと間違いやすいのは、まずカシラダカやホオジロ、次にヒワの類であろう。<BR>
 カシラダカ 体のサイズや羽毛の色といい、一見して似ているように感じられる。さらにスズメと一緒に地上に降りて、餌をついばんでいたりすると、確かに見間違いやすい鳥である。<BR>
 狩猟免許試験で、鳥獣の判別を絵図によって覚え、テストされるが、猟野において生きている本物の鳥を前にして、さて、どこに視点をおいて、どんな特徴をとらえて判別してよいものか?<BR>
 最初から漫然と見ていたのでは駄目、意識して特徴を思い浮かべ、そういう視点で観るべきである。「スズメだ」と思い込んで見ると、カシラダカはスズメに見えてしまう。手にとって見比べれば一目瞭然であるが、射撃距離で生きて動いていると、間違ってしまう場合も多いのである。<BR>
 見分ける目を養わねばならない。それには、種の特徴的なところをよく覚えることである。<BR>
カシラダカは後頭部の羽毛が少し長くなった冠羽状の部分を確認することによって、判別することが容易になる。<BR>
 ホオジロ スズメと間違いやすい鳥である。スコープなしの空気銃で撃つ場合などで射撃距離のあるときは、種の判別がシルエットにたよることになるので難しくなる。<BR>
 ホオジロの特徴的な部分は、尾羽根の最も外側部分の白と、眉斑の白で、この部位の印象に注意を向けておくと、誤認することは少なくなる。<BR>
 カワラヒワ コカワラヒワ、オオカワラヒワを指すが、スズメのように群れを作ったり、餌場ではスズメの群れと混じったりしているので、シルエットだけでなく、色を確認したりして、正確に識別して撃つように努めたい。 狩猟鳥となっているムクドリやヒヨドリと誤認しやすい鳥としては、ツグミ類が考えられる。<BR>
 ツグミ 猟期中ではムクドリと同じような場所(餌のある畑など)に降りている。ツグミは地上を跳ねて立ち止まり、また跳ねて立ち止まる。ムクドリのイメージとしてはノコノコとした感じで歩く。飛び立つとき、ムクドリは腰と尾羽の先の白が目立つ。<BR>
 一連の動きを見れば判別しやすいが、静止しているときは、ムクドリが嘴と足がオレンジ色で目立ち、ツグミは眉斑の白や、胸の黒い斑点が目立つのが特徴である。これらの点に注意し、引き金を引くようにしたい。<BR>
 ヒヨドリとツグミの見分けとしては、ヒヨドリのほうが尾が長いことと、枝に止まっているとき、ヒヨドリのほうが直立した姿勢を取る点である。<BR>
 ヒクイナ ツグミと同等なサイズになり、シルエット確認ではヒヨドリとも間違いやすいので要注意である。その色合いは、腹から胸、顔、頭と広い範囲が赤栗色を呈している。翼から背、尾までは暗緑褐色である。<BR>
 ヒクイナの生息域は、狩猟期においては九州以南で見られ、生態は水田や沼地を好み、叢の間を潜り込み、飛び立つことはめったにない。この点はバンに似た生息域である。 <BR>
 モズ 頭でっかちの鳥であり、よく見ればシルエットでも確認は可能であるが、数十m 離れた肉眼では、他の狩猟鳥と間違う可能性はそう多くはないはずである。尾羽が長く、顔と頭は鮮やかな栗色であり、この色彩が特徴的である。顔には黒色の過眼線と白い斑点がある。いくら間違いにくいとは言え、その時間帯によっては光線のマジックが起きるので注意は必要である。<BR>
 小鳥類に限らず、誤射は後味の悪いものであろう。猟野で狙うときは、いつもその種の特徴を意識して見るようにしていれば、正確な判別はできるようになる。「狩猟読本」でも、「判別に自信のない鳥獣には発砲しない」と言っているように、特に初心者は自己防衛のためにも、引き金を引かない決断が必要、大事なことである。<BR>
(注)カラーページの「誤認されやすい非狩猟鳥獣」参照。<BR>

 
射獲時の獲物の処理の仕方<BR>
 獲った獲物の処理は、衛生面と味覚の低下を防ぐことが、その主な目的である。その処理のためには出猟時に腸抜き装備のバード・ナイフや鋏などの携行を忘れてはならない。会心の一撃で猟果を重ねる度に、これらの小道具が役立つからである。射獲した獲物は、現場ですぎにでも腸抜きをしよう。腐敗を防ぐためだ。<BR>
 大型のキジやカモなどは、腸抜きのフックに腸をからませて、そっと引き出すだけの要領である。ただし、無造作に強く引っ張ると腸が途中で切れてしまうので、静かに引くのがコツだ。<BR>
 スズメ大の小物類では、腸抜きのフックを使用する必要はない。ナイフの刃先で肛門部から上のほうにかけて切れ目を入れ、割るだけで腸抜きができる。
 いずれの場合も肛門部周辺の汚れなどは拭き取り、羽根を整えて紙で包むか、紙袋に入れて猟服などの背袋に収納することが大事。決してビニール袋に入れないことである。獲物の体温が残っていると、ビニール袋ではむれて、羽毛が抜けやすくなるからである。<BR>
 帰宅したときの獲物は、風通しのよい、温度の低い所に置き、なるべく早く自分で剥皮するか、剥製店に持ち込むのがよい。<BR>

 
剥製用には狙点を選ぶ<BR>
 われわれが小物を猟獲したとき、剥製にすることを前提とした獲物の処理、取り扱いについて、常時、日剥展(日本剥製師協会主催)の剥製技術コンクールに上位入賞している野澤剥製さん(山梨県)に尋ねたところ、専門家の意見は、以下のとおりである。<BR>
 剥製のためには、被弾箇所と獲物のサイズが問題になる。つまり、頭部への被弾の場合、大きなキジなどは、比較的容易に修復できるが、小さなスズメなどの小物は、その再現作業が困難になる。<BR>
 そして、弾痕部位から流れ出し、羽毛に付着した血液の処理に手間がかかることが多い。特に小さな部位である頭部や頸部の弾痕処置には神経をつかうところであり、小さなスズメになると、その難度は高くなっていく。<BR>
 頭部を貫通している穴の修復には、穴の両側の皮を縫い合わせて製作する場合、スズメなどは4.5mm の小さな穴でさえも皮が引きつれてしまいがちで、自然な感じに復元、修復することに相当な神経を使わざるを得ない。どうしても無理があると判断したときには、同種の個体の羽毛を数枚使い、張り毛という手法で製作することになる。<BR>
 小さなサイズの獲物の狙点には、背面や上背または背羽で隠せるあたりの脊髄を破壊し、貫通せずに、その穴が一つなのが理想である。 すなわち一発必中で即倒させたほうが、すべて完璧な処置ができるということである。いつまでも半矢状態で苦しませると、血痕も拡散し、羽毛は汚れていくのである。
 従って、獲ったときは弾痕の穴を素早くティッシュペーパーや脱脂綿などで塞ぎ、周囲に飛散した血痕を素早く拭き取る手立てが、剥製づくりを容易に、美しく仕上げる要点でもある。特にキジバトには、この手立ては有効であり、それを実行することにより、剥製の素材として見た場合の良否は決まってしまう。
 キジバトの羽毛が血で汚れた場合、薄く繊細な皮の性質上、洗いにくく、また洗っても元のようなふわっとした生きているときのような感じの羽毛とは、なりにくいのである。 キジバトを食材としてならば、頭部が狙い目である。剥製の素材としてならば、やはり背中が中心となり、射獲率も高く、まさに背面撃ちが一番なのである。<BR>
ここで気づくことは、剥製に向いている狙点と食材としての狙点には、そう大きな違いはないということである。要はクリーン・キルに徹すれば、すべてに通じることなのである。<BR>
 生き物を狩るという行為は、ゲームを敵対視したのと同等の決意と行動が必要である。<BR>
相手は普段の生活を無事送れるために、細心の防衛努力を本能的に持続している。<BR>
 われわれハンターにはとうてい持ち得ない、彼らの防衛本能をいかにして崩し、または弱点を探し出し、そこをどのようにして執拗に攻め立てるかが、ハンティングの本質である。<BR>

 
※ゲームの小鳥猟を楽しむ必要要件  目次へ
 キジバト以下の小鳥猟では、すべての銃種の口径は5mm 以下が適し、待ち撃ちなどの数時間、一箇所に隠れている猟法には、動作が少なく、小型、連発性のよいガス銃、プリチャージ銃が最適である。ポンプ銃のような大きな動作、しかも一発ごとポンピングの動作がつきまとう銃にはあまり合理性はない。

 
奇策な猟法も効を奏す <BR>
猟法としては少々極端な例であるが、プリチャージ銃の側にダイビングタンクを設置して、一日中、一箇所からの狙撃を楽しむことも可能である。その合理性は楽しみ方の違いもあるが、BDC装備(距離によっての弾道補正機構)のスコープを装着した銃ならば、かなりのシーンと条件に適合できるであろう。<BR>
 この場合、タンクからの空気供給は長めの耐圧ホースによって直接供給され、ホースが付いたままの射撃となる。この手法は、国内ではほとんど知られていないが、プリチャージ銃による猟が浸透していけば自然と発生していく方法である。日向ぼっこしながら猟友とひっそり行うこともでき、矢先の調査さえ怠らなければ、これほど安全で、能率的な手法はない。<BR>
 一方、歩きながらの小鳥撃ちには、可能な限りハイスピードの銃が適する。歩くことと、停止を繰り返しながらの行動は、相手、つまり狩猟鳥から見ればハンターの存在を堂々と暴露しているようなものであるから、そう多くのチャンスを与えてはくれない。<BR>
 そこで、少しの時間は待ち撃ち気味の方法となっていくが、今まで数分間歩き、動き回っていた姿勢は、そのハンターを遠くから観察していた鳥達にとっては危険な相手としか写らないであろう。 <BR>
 それでも、そのハンターを見落とした若い鳥達がヒラリと枝に止まってくれるので、それを待つハンターの銃は速いスピードでなければ、撃った瞬間にパッとかわされてしまうシーンも再三ありうる。発射音で鳥は気づくが、一瞬の間があり、そのあいだを埋めてくれるのが弾速なのである。<BR>

 
小鳥の効果的な狙点<BR>
 小鳥とは、どのサイズの鳥を指すのか、ここで考えてみよう。ペットショップなどでは30pほどの鳥籠で飼えるサイズを、家庭で手軽に扱える範囲としているようなので、スズメサイズが主体となるが、ここではヒヨドリまでを小鳥としてみよう。<BR>
 スズメのような小さな鳥に対しては、被弾したときのダメージを最小にしなければ、その後に訪れる調理に問題を残すので、頭部から頸部にかけてしか本来の狙点は見い出しにくいであろう。<BR>
 ヒヨドリともなると、鳥体の大きさは数倍となり、その狙点は、頸部から上と、消化器官より上の部分になる。基本的にはどの鳥に対しても同様となるが、鳥の向きによる弾の侵入角度が影響してくる。小鳥撃ちではほとんどが樹上に止まっている個体に対しての発砲となるので、撃ち上げの角度によっても、その狙点は微妙に変化せざるを得ない。<BR>
 その角度がきつく、つまり垂直撃ちに近くなるほど消化器官を貫いての角度が多くなるので、これを避けるには、鳥体が正面を向くまで待てれば、最適の侵入角度が得られることとなろう。真後ろからの射角は避けるべきであるので、せめて真横に見える角度が妥協できる限界となる。<BR>

 
完全回収の気配り<BR>
 せっかく落としても、さて回収という段になってから、その所在が不明となることは多いものである。発見できなく、そのまま置き去りなんてことにならぬようにしたいものである。<BR>
 その対策の第一は、その猟場に精通していることである。その猟場に慣れてくると、不思議とどのあたりに落ちるのか、その傾向がおおよそわかるものである。慣れないうちは、その猟場の簡単な作戦図面を作成しておこう。小さな堅めの紙に、落ちた地点を可能な限りメモしておくのである。努力の末、慣れてくると、その作戦図面がハンターに記憶されており、上から見た平面図として記憶されるのである。<BR>
 射座からの光景は、意外と遠近差まで感知できないものであり、この点が発見不能に陥る原因でもある。プリチャージ銃の連発機能が装備してあれば、この記録操作も、それほどの障害とはならないはずである。  <BR>

 
※スズメの狩り方と撃ち方   目次へ
 昔の空気銃猟と言えば、このスズメ猟がポピュラーなターゲットとなっていた時代は比較的長かった。その頃の狩猟については、猟とは無縁の人達からも、現在より遙かに柔軟な処遇を受けていたが、昨今はスズメと生活圏を共にする農家までもが、その行為に否定的な状況である。しかし、スズメは身近なゲームだけに、空気銃猟の原点であることは否めない。<BR>

 
人の生活圏が付場<BR>
 スズメ猟は最も人家、つまり人の生活圏に入り込んでの猟法にならざるを得ない。スズメ1羽からの食材としての価値観を考えると、どうしても数十羽という単位が目標となる。そうであれば可能な限り群れなす一群が常時集まるところにアプローチする状況が多くなる。<BR>
 スズメが生活圏としている人家周辺に接近して行くことが必然であれば、現在の社会的な狩猟の立場を考えると、そのハンターが潜在的に持ち備えている人としての品格によって、受け入れサイドの状況に差が出てくる。<BR>
従って、昔からその土地に留まって生活している農家とのスムーズな付き合いは、この猟法にとっての最大条件である。<BR>
 老練なるハンター曰く「農家の方は、外来の人の話を待っている」新しい情報を人との付き合いの中に求めている。決してハンターを嫌がっている農家だけではなく、付き合い方によっては、考えもしなかった鷹揚さを持っているのが農家の方である。<BR>
 そして、その付き合いの中には品物の遣り取りが、物々交換のごとく存在している。カラス除けに猟果のカラスを手土産に挨拶が成立する場合や、ごく自然な感情からの駄菓子の遣り取りなどが、農作物の土産を頂戴することにもなる。<BR>
 中には、獲ったスズメやキジバトをもらってくれる農家も意外とあり、ハンターが勝手に判断している農家意識にも、農家としての不文律が毅然と存在していることを知るべきである」と。<BR>
 農家周辺にスズメが集まりやすい理由は、もちろん、餌がその中心にある。家畜類を飼っていれば、そのおこぼれがあり、果樹の甘い香りがさらに彼らの食欲をそそる結果になるのである。そして屋敷を一巡してみれば、さらに頷ける状況も見つかる。農機具から始まって種々雑多なものが、あちらこちらに点在している環境は、スズメにとっては雨宿りや寝場所、そして遊び場ともなるのである。<BR>
 美しく整った現代風な環境には、彼らはちょっと寄る程度の接点しか持たず、あくまでも始終留まる場所は、何と言っても農家の周辺以外にはないのである。<BR>

 
効率の良い狩り方<BR>
 スズメ撃ちは、パーン、飛散、パーン、飛散の繰り返しの中で、一日そこにいても必ず違う群れ、同じ群れと、入れ代わり立ち代わり同じ場所に集まるのが最高の猟場となる。一群れ1羽の射獲が原則になるが、さらに効率をあげるには、できるだけ少ない群れ、1羽もしくは2羽ぐらいが移って来たなら、即座に撃ち落とすことである。つまり、後続部隊に気づかれる前に落としてしまうことである。それも確実に即死させるのが鉄則である。半矢にすると、すぐに後続部隊に伝わってしまい、その現場での猟は終止符が打たれる。 小さなスズメだからと言って侮るなかれ、彼らの感受性はキジバトなどとは比べものにならないくらい研ぎ澄まされており、カラスのように銃の存在を見分けるのである。<BR>
 ハンターは決してスズメに近寄らず、射程距離に来るまで、暗い陰の中でのんびり待つのである。つまり、この猟で最重要項目である、スズメから身を隠す技量が必要である。この技術を身につけなければ、とても合理的な猟法とはなり得ず、その日に数羽獲れたとしても、数週間はスズメが集まる環境に回復しないのである。<BR>
 いくら細心の神経を張り巡らしても、命を賭けている彼らは本能的にその状況を判断さしてしまい、毎日同じ場所での猟は困難である。従って、可能な限り農家との付き合いの数を増やし、数多くの付場情報を収集しなければ先行きの猟がおぼつかなくなる。<BR>
 軽率に初心者を同行すれば、間違いなく、その効率は落ちていく。それほどに現在のスズメ猟とは、かなりのレベルをもって対処しない限り、完成された狩猟とはなり得ない。<BR>
 キジ1羽の重さに匹敵するスズメを獲るとしたならばおそらく日本でも指折りの思慮深い、まさにプロと呼ぶに相応しいハンターでなければできない領域である。だからこそ、そこには他の猟にない魅力が潜在しているのである。その老練なハンター曰く「スズメ猟はピーナッツやポテトチップである。いくら撃っても飽きることなく、病みつきになってしまう」と。<BR>
 人家周りという、ごく限られた環境に留まっての行為に、それほどの奥深さが隠されていることに気づくハンターは少ないが、長い歳月を飽きることなく続けてきたハンターの言葉には、そこに、ある種の尊い重みと説得力を感じずにはいられない。<BR>
 話を農家の周辺に戻そう。たまたま屋敷の裏を見ると、さっき飛散した一群がそこに止まっていたり、また徐々にハンターに近づいて来ることもある。その可能性は、ハンターがいかにスズメに配慮を持って接していたかの証しである。彼らの動きはリズムカルである。そのリズムにハンターも乗るかのようにハンティングできれば、もはやそのハンターはエキスパートである。<BR>
 ただし、人家周りでの発砲は、狩猟では禁止されているので、基本的には駆除行為の範囲をもって、安全と行政への配慮が必要である。<BR>
 もう一つのエキスパートの証し。それは撃ち落としたゲームの確実な回収能力である。撃ち落としたスズメがどこに落ちたか、しかし、そこに落ちたことを確認していてもなかなか見つからないのがスズメ猟である。一度でも自分に自信をなくした感覚にとらわれると、二度と発見できなくなる回収の難しさに必ずぶつかるものである。<BR>

 
スズメ撃ちの秘訣<BR>
 射獲率をあげるためには様々な角度で撃つことになる。水平に近くなるに従い、周囲に及ぼす影響は危険という言葉に変わってくる。鉄砲の大原則がこのスズメ猟にも当てはまり、一歩間違えれば取り返しのつかない状況が待っていることを、いつもハンターの習慣に組み込んでいてもらわなければならない。
 安全と効率を考えると、環境によっては確実に隠れられる場所で、一方向だけへのアプローチも考えられ、意外と、この方法が一番適している可能性を秘めている。<BR>
 良い隠れ場所を提供してもらうには、前記したように農家近くに依存する場合が多くなるので、農家との接点はスズメ猟に欠かせない条件である。農家の方と親しくすることは当たり前であるが、相手の農家は、ハンターが安全第一を心がけていることを前提に、ハンターを許容していることを忘れないことである。
 願わくば、農家が許容できる範囲を明確に、前もって教えてもらえればこれに越したことはないだろう。意外とハンターの常識は農家の常識とは食い違う微妙な点もあるかも知れないのである。<BR>
 人家周りでは、半矢のスズメが屋根に落ちる状況は意外と多いものである。この処理などは、トラブル発生の代表格であり、そうした状況になったら正直に相談することが大切である。<BR>
 前もって、どの射角、方位が危険か、家主との打ち合わせも大切である。屋主が鷹揚に構えていても、さらなる配慮が地域住人との信頼性に結びつくのである。<BR>
 スズメ撃ちの秘訣は、引き金をいかに早く落とし、いかに早く次のターゲットに銃口を向けるかにかかってくる。しかし2羽目を狙えるチャンスはそう多くはなく、むしろワンラウンド1羽が基本となるので、単発銃で十分である。<BR>
 その射距離のほとんどは20m 以内であるので、口径は4.5mm に限定され、パワーは10ft-lbs以下が最適である。あまり弾速をあげると鳥体の破壊も大きく、危険になるのである。<BR>
 夢中で落としているうちに、獲れるからと言って、判断を誤った角度で発砲しないよう心がけたいものである。技術以外での当面の目標は、農家にとって好ましい人物となることが先決だからである。<BR>
 他人である農家との接触が苦手な御仁は、射獲率を落としても、人家とは接触の薄いフィールドを攻めることである。人家周りから遠いフィールドでは、細心の神経を駆使して挑戦しない限り、その日の猟果は少ない。つまり、2羽や3羽の猟果では調理するにはあまりにも不満な数になってしまい、結果としてカラスの餌としての奉仕活動になってしまうのである。ハンターとしては他人に口外することをはばかる行動が多くなるので、あまり勧められる猟ではない。
 この状況が多くなるにつけ、ほとんどのハンターはもう少し大きなターゲット、1羽や2羽でも何とか調理する気になるキジバトやヒヨドリ猟に移行していくことが多いようである。<BR>

 
目標猟果 1日10羽作戦<BR>
 スズメ撃ちを志したならば、最低10羽を目標としてもらいたい。それがこの領域の猟法を続ける秘訣にも通じる。<BR>
 小さい動物の決まった行動をじっくり観察していると、常に群れが中心である。1羽の個体自身の思考や行動性で、群れ全体の一群が一つの決まった法則により一斉に行動する傾向がうかがえる。10羽いたら20の目と脳が、まるで一つの個体のように反応し、決断している。1羽が警戒することは、全体が一斉に緊張するように遺伝子に組み込まれている、小動物特有の定めなのである。<BR>
 この点は、群れで生活するカラスとはまったく対照的な行動性向である。カラスも群れの効果を十分駆使して危険からの離脱を図るが、個体差も激しく、防衛本能より目先の興味にひかれ過ぎるカラスは、初心者ハンターでも獲れる対象になってしまうのである。<BR>
 スズメを見ていると、彼らは果たして臆病なのかズボラなのか、判断に迷う行動がある。ハンター自身にもわからない僅か微細な音や動きに敏感に反応したり、当然、飛散すると思われるハンターの行動にも躊躇なく平然と同じ行動を続行している場合がある。個体が小型になるほど、その行動予測は困難になりやすいのである。<BR>
 個体によっての個性は薄いので、狙いは一個体であっても、ハンターの神経は、常に群れを監視していることが小鳥撃ちの鉄則となる。群れ全体が一斉に飛散する前に、何羽に銃口を向けられるかがこの猟の原則になるので、撃つ目標は可能な限り、群れから遠い個体に向かって発砲することになる。<BR>
 一直線に並んでいる彼らなどは、ハンターの一番楽しみにしている条件である。うまくいけば5羽落ちるときもあり、そこには小さく可愛らしい動物のイメージはなく、肉の塊として見えてくるのがハンターの王道である。<BR>
 群れをなす条件は、初猟時期では、寒く、雪などが降っている状況が、彼らがまとまるきっかけとなっている。特に降雪時の彼らは比較的ハンターを近づけてくれるのである。近づけると言っても、ハンターがにじり寄るより、スズメの一群が寄って来るのを静かに待つほうが、より効果的であることは他のターゲットと同様である。ただし、警戒のアンテナはその数分だけあることを十分留意しなくては、そこに留まる意味がなくなってしまうことになる。<BR>
 年が明けて寒さも厳しくなると、その群れは膨張してゆき、遠くからでもその存在が認識できるようになる。この時期は彼らにとっては一番厳しい時期であり、少々の危険でもその寒い気候からエネルギーの消耗を最小限にして、採餌に全精力を注がない限り生きては行けないことを遺伝子が命令しているのである。<BR>
 寒スズメの最盛期はこの頃を言うようだが、その理由は、この頃が一番獲れる最盛期であり、多くの嗜好家の口に入りやすいことを意味する言葉なのかも知れない。<BR>

 
※ヒヨドリの狩り方と撃ち方  目次へ
 昔は冬の渡り鳥であり、都市部に訪れていたが、今では大きな顔して旺盛な食欲と繁殖力を誇って、大都会にまで住み着いてしまった鳥である。一部のヒヨドリは、今でも渡りを繰り返している。もう一つのグループは、キジバト同様、冬だけ本州に渡って来るヒヨドリもいる。地方によっては「ヒヨ」と呼ぶこともある。
 昔、源義経の時代、一ノ谷の戦いで深山越えを「ひよどり越え」と言った言葉は、その地がヒヨドリの渡りの地域になっていたことが、この言葉の由縁である。<BR>

 
ヒヨドリの生態と付場<BR>
 ヒヨドリの形態は、灰褐色の体にボサボサ頭、頬は褐色、尾はやや長目で、ムクドリより少し大きめの鳥である。ピーヨ、ピーヨと鳴く。サイズは28pくらいで、ムクドリより尾が長く、威嚇するときなど羽毛が立っている。<BR>
主な生息地は低地や低山帯の雑木林、マツ林、落葉広葉樹林など、生息地を選ばない生命力の強い鳥である。韓国にも生息しているが、日本では北海道では夏鳥、北海道以外では留鳥である。秋と春に大量の群れが渡り、その群れは本州以南でよく見られる。<BR>
 一夫一妻で繁殖し、繁殖には特にヤブツバキを好み、常緑広葉樹林に多い。巣は葉のよく茂った樹木の枝の上に作る。卵は 4個が多い。人家周辺の庭木、公園などでも繁殖する。繁殖期に縄張りを作り、早春に大騒ぎする行動が各地で見られる。<BR>
 ヒヨドリは柑橘類が好きで、ミカンなどの果樹園に飛来して、しばしば損害を与える。<BR>
特に繁殖期の5〜7月ごろには昆虫を好んで食べるが、花の蜜や葉菜類など、様々なものを食べる。畑の野菜などに被害を与えることもある。 <BR>
 果樹園関係者の調査によれば、ヒヨドリの繁殖数に、その年の被害状況が比例するとも言われるほど、その活動は旺盛である。 <BR>
 ピイッ ピイッ ピイーヨ ピイーヨと大声で鳴き叫ぶので、その存在はすぐにキャッチできる。飛び方は大きな波型を描くのが特徴で、ヒヨドリの確認は容易である。 <BR>
 ボサボサ頭で可愛い鳥に見えるが、気性が激しく、半矢のヒヨドリに近づくとキーキー鳴き叫び、ハンターを威嚇する鳥である。キジバトとは対照的な鳥であり、名付けて「ちびっこギャング」である。<BR>
 エアハンターにとっては、まことに都合のよい対象ゲームであり、キジバトほどの神経質さは持ち合わせていない。その味覚は、特に果樹園でミカンをたっぷり食べているヒヨドリは脂肪も乗っていて、フルーティーで美味しい。この鳥こそ、初心者向けの狩猟鳥であろう。<BR>

 
果樹園での待ち撃ち要領<BR>
 狩猟には、果樹園の中での活動が最も効率的である。果樹園は、丈の低い常緑樹であるので、ハンターは身を屈めて静かに行動し、果樹に止まる前に、それ以外の木に止まるのを待ち撃ちすることが、最善の方法となる。射角を大きくとることが安全につながり、水平に近づくほど、その危険性は増していく。
 特に果樹園で仕事をしている人の確認は大切である。絶対当たらぬ角度でも、200m以内に人がいないことを条件とすべきであろう。もちろん、地主または作業者には承諾してもらってからの狩猟となる。<BR>
 猟場に着いたときに、細い絹糸のようなものを要所に張っておくとよいだろう。そこに人が入ったかどうかを判断できるからである。<BR>
 待ち撃ちの原則は、あまり同じエリア、畑などで、毎回狩猟しないことである。いくらズボラなヒヨドリでも、家族が発砲音と一緒に異常な事態になっていることは、本能的に感じるのである。<BR>
 樹上の鳥から見てハンターを確認するには、ハンターが水平線上に近づくほど発見されやすく、反対に、鳥からハンターを見下ろす角度がきついほど、その認識は薄れていく。極端な例は、ハンターが垂直に撃ち上げる角度では、鳥からは認識しずらい角度である。つまり、常にハンターの上空で活動している鳥にとっては、真下への確認が習慣的に鈍くなっているのであろう。<BR>
 ただし、真下からの撃ち上げは有効であるが、ハンターからターゲットの確認もしずらく、発砲すると小枝などがハンターに降ってくるので、眼鏡などのプロテクターが必要である。要するに、下から発見しにくいことは、上からも同じ条件になるのである。<BR>
 大きな声で己の存在を鼓舞するので、小さな椅子に座って楽にしていると、そのけたたましい声で戦闘開始ができる。しかし、その前にヒラリと音もなく斥候がやって来るので、それだけは常に意識していなければならない。とにかく、それが来ても、じっとしていればよいことである。ハンターの動きは常にスローモーであり続けることである。<BR>
 落としても、しばらくはそのままにしておき、落とした地点をメモしておくとよい。一旦落してから、しばらく時間をおいて回収に行こう。<BR>

 
※キジバトの狩り方と撃ち方  目次へ
 空気銃猟のターゲットとしては、日本では伝統的に定番となっている相手であり、その生息数も比較的安定している。<BR>
 非常に神経質な鳥なので、その接近術にはキジバト猟のオーソリティーと言えども、その難しさに脱帽することもしばしばであろう。移動しながら、このターゲットをものにできるハンターは超ベテランである。<BR>
 最適な空気銃は、静かな発射音が最優先であり、次に速い弾速が必要、必然的に口径は4.5mm で、エネルギーは20ft-lbsのプリチャージ銃が理想であろう。<BR>

 
身近なキジバトの素顔<BR>
 キジバトは北海道以南では留鳥である。つまり、寒くなったら本州へ渡ってしまい、道内のキジバトは地づきのキジバト以外、猟期の十月半ば以後にはいなくなる。<BR>
 本来、キジバトは野性の強い鳥と言われていたが、昨今は都市部の人家周りでも採餌している状況で、ハンターに追われたこともないキジバトなどは警戒心も薄く、人なつこいほどである。<BR>
 彼らの繁殖期は主に8月の暑い時期である。その繁殖期には雄の目の周りが紅く色づき、この時期だけ雄と雌の判別がはっきりする。<BR>
 巣作りについては、キジバトに限らずハト類は一様に粗雑で、立木の上に小枝などを並べた程度である。従って、真下からは透けて見え、卵が確認できるくらいである。<BR>
 彼らは一夫一婦制である。夫婦仲は実に睦じく、卵は夫婦交代で温める。また、ハトの哺乳行為はあまりにも有名である。いわゆる生まれたヒナは、親たちの口の中に頭を入れて、「鳩乳」という「ソノウ」の中の分泌物を吸って育つ。<BR>
 一方、諺には「鳩に三枝の礼あり」とあるが、実際にはヒナが育ての恩に報いるために親鳥より三枝下に止まるという状況はなく、一緒の枝に親子ともども止まっているのが実態である。ときにはヒナが三枝下に止まっているといった光景がないではなかろうが、諺<BR>
の真意は、昔の修身教育において礼儀を重んずる、親孝行のすすめ、といった譬えであったようである。<BR>
 さて、キジバトを撃ち落として近づいて見ても、じっと横たわっているだけの静かな個体であり、ヒヨドリのようにハンターに威嚇するような素振りは一切ない鳥である。<BR>
 しかしながら、繁殖期に二つの卵を抱く頃には、近づく者すべてに威嚇ポーズをとる。このあたりの性格が親子の絆の深さを連想し、人は平和の象徴にしたのかも知れない。<BR>
 地方によっては、ヤマバトとも呼ばれているが、繁殖期にデデッボッポーと鳴く、あの何とも言えない表情と鳴き声は物寂しく、感懐深い雰囲気である。

 
キジバトの行動サイクルと猟法<BR>
 彼らの生活ぶりは、繁殖期以外は集団となって寝場所で睡眠をとり、早朝のまだ寒さも厳しい時間帯では、陽射しを受けながらじっとしていて、夜来の冷え切った身体を温めている。<BR>
 早朝の猟 桑畑などを覗くと、ぽつりと1羽のキジバトを見かけることがある。こんなときは即座に撃たないで、もう少しその周りも探索してみよう。必ず数羽がじっとうずくまっているはずである。可能な限り、その群れから遠いターゲットから撃ち始める。もちろん、小さな音で獲るほうがよいだろう。複数獲りの可能性を秘めている時間帯である。 採食時の猟 8時過ぎともなると、キジバト達は活発な食事の時間帯に入っていく。畑や林にそれぞれの群れ単位で行動し、木の上では木の実、地上では草の種を好んで食べている。<BR>
 畑に撒いた肥料の牛糞に群れでたかっている光景が、よく見られる。ドバト、カラス、スズメなどと一緒にいる場合も多く、中にはキジが隅にいる場合もあるので、早朝の場合と同じように、撃つ前に周囲への心配りが必要である。<BR>
 すべての獲物について言えることであるが、採餌する場所と時刻の調査が、中間時間帯の狩猟の良否を決めてしまう。<BR>
 忍び猟 キジバト撃ちで10羽の定数獲りするには、相当な覚悟をしなければならないだろう。静かな鳥だからこそ、その神経質な気性は、歩いているハンターではとても寄せつけてくれない。午前中、畑などで採餌に気をとられている時間帯ぐらいが、そのチャンスである。接近する距離にも、その限界距離を知ることが大切である。せいぜい30m がその限界域であろう。しかし、ハンターの動き方によっては、50m でも飛ばれてしまう。<BR>
 銃をハンターのシルエットの中に没した状態で、静かに接近しよう。飛ばれるほとんどのケースは銃を構える大きな動作であり、それを彼らは危険と感じるのである。 <BR>
 木に止まったキジバトに、ゆっくりと、ゆっくりと近づき、身を隠せる草木に身を沈めて行き、その動作が完了してからゆっくりと銃を向けつつ、スコープを覗きながら身を立てていく。視界にターゲットを捉えた瞬間に、弾は空を切っていることが理想である。もちろん、周囲に人の存在を確認しておくべきである。
 このキジバト猟は、現代の空気銃猟中、最も危険な状況であることを認識すべきである。それは銃とターゲットの間以上に、その先への矢先の確認が一番重要だからである。<BR>
 忍び猟による獲物の射獲は、どのような相手でも困難な猟法であり、安全面でも細心の心遣いなしでは、とても成り立たない行為である。 ハンターが静かな動きであっても、身を暴露してターゲットを捕捉することは難しいが、昼時にも少々なチャンスは生まれる。その地域での動きが活発になり、車の音や人の話し声、足音などの中に猟場が入っていくことになり、神経質なキジバトには、その騒音を消し去ることはできず、混在している音の中で、ハンターの存在も溶け込んでいってしまう時間帯なのである。<BR>
 だからと言って、ハンターとキジバトの距離的関係には、キジバトからすると、最も近い距離の相手、つまり危険な相手がハンターであることには変わりないのである。<BR>
 待ち撃ち猟 「動」をもって接近するのに対して、「静」をもって接近する方法が待ち撃ち猟となる。<BR>
 待ち撃ちの基本は、ゲームが止まる枝、止まり木を見つけることにある。風下、太陽の位置、邪魔な枝や足場など周囲の環境に気を配り、射座を決定する。<BR>
 射座について一番重要なことは、ゲームからハンターが認知できない状況をつくることである。まず第一に、ハンターの背後が暗く(太陽を背に、よく茂った繁みや崖など)、ゲームからはハンターのシルエットが形成されないところが最高の条件となるであろう。<BR>
 彼らは午後3時ころから木に止まって、一日の疲れを癒しているかのように比較的静かにしている。この時間こそ、待ち撃ちのチャンスである(待ち撃ちの項参照)。周囲に危険性がないことを条件に、安全を確認したうえで、実行していただきたい。周囲200〜400m 範囲に農民、通行人、道、畑、建築物など、その地域の特性を考えたうえでの細心な配慮が条件である。 <BR>
 キジバトが待ち場に飛来したならば、すぐには発砲せず、様子を見ていよう。5〜10 羽飛来したならば、並んで止まっているキジバトより一番離れていていて、下に位置するものをターゲットに選ぶべきである。撃ち落としても、その一団が去るまでは、そのままにしておこう。複数獲りの可能性は、そのハンターの配慮にかかっている。<BR>
 銃の操作は、飛来が始まる前に各止まり木の距離を把握しておいたほうが、特に遠いターゲットには有効である。この考え方をさらに高度にすると、40m くらいの距離のところにハンターが居座り、距離計を駆使した、精度の高いスナイピング(狙撃)も可能である。 比較的遠い距離での狙撃が可能であれば、複数獲りの可能性は格段に向上するのである。遠い距離では、キジバトの緊張感も少ないのである。<BR>
 さらに、その可能性が高くなるのは、降雪時である。彼らの緊張と行動意欲に変化が起き、その変化に彼らが慣れないうちは、彼らは鈍化するのである。この現象は、すべてのターゲットに共通していることである。<BR>

 
※コジュケイの狩り方と撃ち方  目次へ
 漢字に直すと「小綬鶏」となる。典型的な中国東南部原産からの帰化鳥であり、「チョットコイ、チョットコイ」の声が派手である。 キジなどもそうであるが、撃ち逃して飛び立つときに大声でわめき散らす大変ユーモラスな一面を持っている。一度、彼らが隠密行動に移ると、どこに消えたのか、どこを探してもその行方は判明しないことが多く、この世界では、彼らのことを「忍者」と呼んでいる。それゆえ、彼らの生活ぶりは少々わかりずらいところが多いので、彼らの習性に触れてみよう。<BR>

 
コジュケイの生態と特性<BR>
 コジュケイは雌雄同色、体は丸く、短い尾を下に垂らした姿が特徴的で、頭上から体の上面は褐色で、黒い横斑がある。喉から頬にかけて赤褐色で、胸と眉班は青灰色。尾は赤褐色、飛んだとき目立つので、ハンターには、その判別が比較的容易な狩猟鳥である。<BR>
産卵期は4〜7月、巣の場所は地上であり、地面を浅く掘って巣としている。卵の数は7〜8個。彼らの精力は絶倫で、年に2 回繁殖するものもあるが、その繁殖の詳細は不明。体長27cm程度のサイズである。鳴き声は、「チョットコイ」のほかに「ピョー」または「ター」と鳴くことがある。<BR>
 彼らは雑食性であり、地上にある葉や木の芽、葉、種、昆虫、クモ類、多足類、軟体動物などを食べる。かつては平野部の公園から山地まで広く分布し繁殖していたが、現在は平地からはほぼ姿を消し、丘陵から山地の林で繁殖している。下草の良く茂った明るい雑木林、低木林、竹林、公園、ゴルフ場などに留鳥として年中生息している。<BR>
 狩猟用として中国南部から1919年に持ち込まれ、日本に定着した移入種である。<BR>
コジュケイは雪の深い地方にはいないとされ、生息地は東北南部以南となっているが、現在、動物のすべての生態系について異変が起きており、地球温暖化もその一因のようで、実際の生息域は拡大している傾向である。<BR>
 渡りの習慣はなく、数羽の群れで薮の中を歩きまわりながらの採餌活動が主な日課である。類似種はウズラであり、もともとはキジの仲間である。<BR>
 最近は木に止まるのを見ることは少ないが、夜は樹上で眠り、他のテリトリーにはほとんど移動しない。非繁殖期には家族が群れで行動し、めったに飛ぶことはなく、走って逃げることが多い。早朝に歩いている姿を見かけることが多く、いったん飛び立つと羽ばたきと滑翔を交えて比較的長距離を飛ぶ。<BR>
 夜間は高い木の枝に一列に並んで止まり、眠る。昔は昼間からこの光景に出くわし、1発で何羽落ちたか、なんていう良き時代もあった。その頃はコジュケイ猟の水平撃ちが最も危険視された時代でもあったが、現在ではキジバト撃ちが、その座に居座ってしまった。 コジュケイの行動は、今や木に止まらず、ひたすら地べたを徘徊して、自身の身を守っているのである。キジバトも、このような習性となるのは時間の問題なのであろうか。<BR>

 
コジュケイ猟の隠密作戦 <BR>
 コジュケイ猟での最大のポイントは、キジと同様に発見することである。昔のように気軽に木に止まってくれると、発見は容易なのであるが、すべては藪の中である。しかし、暗いところに潜んでいるばかりが彼らの生活ではなく、むしろ陽当たりのよい、陽だまりを好んで移動している。<BR>
 彼らからしてみれば、何となく、何かが近づいて来ることを敏感に、その振動と音で感知しており、本能的に藪めがけて徐々に移動して行くのである。<BR>
 面白いことに、ハンターと出合っても彼らは即座に逃避行を決行することもなく、ぞろぞろと採餌をしながら歩き回るのである。幼く経験の乏しい子供連れであるがゆえの行動であろう。<BR>
 しかし、一度親からの危険信号を受け取ると、今までの行動とは明らかに違う早さになっていく。こうなると射獲率は低下し、親子獲りはおろか、多くのターゲットを目にしながら1羽も獲れなかった、などという事態も考えられるのである。<BR>
 コジュケイの群れを見たならば、可能な限り接近し、大きな親から狙撃しよう。これさえできれば、右往左往している残りを一つずつ狙い撃ちしていくのである。一家族を獲るのも夢ではないのである。飛ばないコジュケイ猟には、空気銃が最適なのである。<BR>
 彼らと出合う時間帯と場所を記憶しておこう。そのタイミングと付場のポイント数をハンターが確保することが、コジュケイ撃ちの極意である。やみくもに動き回っても、相手も動きまわり、移動しているのであるから、思わぬ出合いより、ある程度想定したシナリオで、それにそった動きのほうが無駄なく、スムーズな発砲へと、導かれるのである。<BR>
 コジュケイには、大声で自分の位置をわざわざハンターに知らせてくれる悲しい習性がある。「キジも鳴かずば」になるのである。<BR>
この声をハンターが聞けば、誰とてもその方角に歩を進めることだろう。しかし、ハンターの即応した接近術は、コジュケイに対しては、そう期待したものではない。彼がわざわざハンターを呼ぶはずはないのである。そこで駆けつけてみれば、コジュケイに出合えるかも知れないが、彼らとて対敵経験の豊富なコジュケイなのである。ハンターが彼を見たときはすでに遅く、藪の中に忽然と消える寸前が関の山であろう。<BR>
 ハンターは、この事態を冷静に判断すべきである。藪に逃げ込んだコジュケイをさらに追おうとするハンターがいるとしたならば、まったく無意味な行為であり、相手の技量をあまりにも知らないハンターであろう。なにせ、その相手は忍者なのである。<BR>
 大声でハンターを驚かせた忍者でも、ハンターの辛抱強い隠密行動には勝てず、陽当たりのよい、そのポイントに出て来る可能性がある。出たり、入ったりしても、ハンターはオトボケに徹しよう。そのうちに一家でぞろぞろなんて、可能性が残っている状況なのである。<BR>
 ハンターのとるべき行為は、今すぐどうのではなく、数十分、先のことに夢を託すことで大いなる感激を得ることもできるのである。<BR>
 たとえ接近の途中や失中のミスでコジュケイに立たれても、コジュケイの場合は意外と飛翔先が視認できるので、着地点さえ見逃さなければ「追い返し猟」という二次攻撃もできるゲームである。これはキジも同様である。<BR>

 ※キジの狩り方と撃ち方
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 キジは世界的に見ても、鳥猟の王様である。「キジがフィールドからいなくなったなら、鳥猟ハンターはいなくなる」とさえ言われている。鳥猟にとっては貴重で高貴なゲームなのである。わが国では童話にも登場していることは、周知の事実である。また、紙幣の一万円札にも登場しており、日本人としての情緒の世界をかたち作っている。<BR>
キジ猟にはポンプ銃、またはそれ以上のエネルギーがあれば十分であろう。キジバト撃ちのような神経質な感覚は意外といらない。出現しやすい居場所と、発見しやすい地点さえ確保できれれば、そう困難な相手ではない。<BR>

 
キジ猟は銃のパワーか技量か<BR>
 人は、よく使用銃のパワーの点を指摘するが、よほどの距離、風でもない限り、一般的に高エネルギーは不要と考えてよいだろう。対象となるすべての鳥には30m では15〜20ft-lbsのエネルギーで十分なのである。<BR>
 しかし、半矢の確率が高いのも事実である。この点、ハンターとしての資質を向上させない限り、キジという鳥猟での大物に対して、精神的に負けてしまっているハンターが多いのも現実である。こうなると勢い銃のパワーを求めたくなるが、すべての決着は、その当たりどころにある。このことを早い時期に認識することがエキスパートへの近道である。<BR>
 パワーで獲れたと考えるハンターが多いようであるが、実はパワーではなく、そのハンターの技量で獲れたのだと、私は確信したい。それは当たりどころ、つまり狙った急所に弾を送り込む技量、すなわち自身がおかれている環境を克服した証しなのである。キジが獲れる技量はもちろん、自身の道具と弾道の正しい認識があったからこそなし得た結果である。<BR>
 こうした証拠は、私の周りにゴロゴロしている。それは様々なタイプのハンターというサンプルである。あるハンターは「どうしてもキジだと半矢になってしまう」、あるいは「キジバトは獲れてもキジは獲れない」という考え方の裏には、大物に対しての、ある種の覚悟と自覚の欠如に起因する精神的な気遅れがあるのである。<BR>
 この事態は、その当事者にいくら伝えても、その時点では理解できないことが多いようで、後に経験が深くなってきたときに初めてわかるようである。目から鱗が落ちる結果となり、これが大きな岐路となって、エキスパートに近づいていくのである。<BR>
 キジ猟は、初めてゲームに出合ったときに、そのハンターの性格、技量が明確になる。初めてのキジとの対峙で、キジを仕留めたハンターの多くは、高い資質に恵まれている人であり、もしくは良き指導者からの適切なアドバイスを素直に受け入れていたハンターでもある。<BR>
 私がここで「ハイパワー不要」と執拗に書き記すわけは、キジの性格に起因しているところが大である。キジは音に対しては比較的鈍感なほうである。音に反応しないのではなく、ハンターが発する音源にはいつも敏感に感じているが、ハンターが不用意な音さえ出さないで行動すれば、キジはそれほど早く逃げの行動に移らないのである。<BR>
 結論を言うと、キジには接近させてくれる変な性格があるのである。キジ猟の射獲距離が30m 以内が一番多ことも、この事実を物語っている。<BR>
 キジは自身の身体に弾が触れない限り、すぐには飛んだり、走ったりしないことが比較的多い、変わった鳥である。ただし、動き出したときの行動は、ハンターが動くたびに遠のいて行くのである。従って、走って遠のいて行く移動標的に向かって発砲するなどの愚かな行為は、よほどの熟練者でない限り、慎むべきである。<BR>

 
キジへのアプローチ作戦<BR>
 カモと違い、標的となるキジの発見に全力で挑戦することになる。 発見、しかしハンターにとっては今初めて発見したわけであるが、当のキジはさにあらず、かなり前から人の存在には気づいていたのである。防禦一方の生き物が神から与えられた特権である。<BR>
 キジからすると、それが自身に危害を及ぼす危険なものなのかどうか迷ってしまう時間帯が必ずあるようである。この時間帯に出合ったハンターが幸運となるか、不運となるかは、ハンター自身が「彼は迷っている」という感覚を理解したうえで作戦を練るか、ただやみくもに攻め立てるかで、後にくるかも知れない挽回作戦 (逃げられてもなお作戦を立て直して行う捜索猟) に大いに影響してくる。<BR>
 ゲームは見えていても、発砲チャンスとならない場合は、あまり相手を刺激して余分な恐怖感を抱かせる前に、少々の距離を開き、静かに観察してみよう。
 キジが平然としていて、再び採餌するようであれば攻撃準備を整える。反対に、キジがそわそわ落ち着かず、徐々に身を隠すエリアへの移動を決行しだしたならば、ハンターは決して近づかず、むしろ遠のきながら、ゲームをよく監視できる場所に静かに後退しよう。監視可能な地点がない場合は、そのエリアからしばらく撤退したほうが得策となる。<BR>
 その日、または次の機会にも必ず出合えることを確信して、いたずらに大切な猟域を恐怖地帯に変貌させる必要性はまったくない。<BR>
ゲームを発見しても獲れないハンターの根源は、この辺にもその要素が潜んでいる。<BR>
 ゲームが逃げもせず、その場に座り込んだならば作戦を練り直してみよう。キジは危険について感じたものの、脱兎のごとく逃げないのは、ハンターの撤退が気に入ったのか、ここにいれば見つからないと考えたと、一応ハンターは解釈して、作戦を練る。<BR>
 この際、最も注意する点は、あまりキジの全容が明らかになるほどの位置にハンターは居座らないことである。キジがよく見えるということは、キジからもハンターの行動が手に取るように見えてしまうことである。小さな狙撃ポイントがスコープに捕捉できればよいことである。しかし、あの赤い顔が見えないうちは狙撃チャンスとはならないだろう。顔が見えず胴体だけでの発砲は、無謀な発砲となる。<BR>
 さらに近づくときは、可能な限り身を低く、場合によっては匍匐前進となる。あと数mで狙撃ポイントとなったならば、ゆっくりと自身の頭を回し、周囲の状況 (一般人または猟友) に危険や特別な変化が起きていないことを確認してから、次の行動に移っていく。と言うことは、ハンターが一点に気持ちを集中しているときは、周りで何が起こっているか気づかない場合があるからである。<BR>
 できるだけゲームをスコープに捕捉しながら接近するほうがよいだろう。それもじっくりと。しかし、これだけの思考作戦を持ってしても、キジのほうが一枚も二枚も上手であることを意識し、いつも身を挺して対処することである。<BR>
 いよいよスコープにとらえたゲームに発砲する。しかし、スコープに入っているキジは、それを感じているのか、そわそわし出すことがある。もし見失ったならば、静かにして、その場に数十分自身を釘付けにしておく。<BR>
 スコープの倍率は、その状況に同調するよう、そのたびに変えなければならない場合もあるだろう。また、そのままキジは発見できないこともある。<BR>
 もし違う方向に出現したゲームに発砲し、半矢となったならば、まず発見のチャンスはない。特に走り出したキジに対して、弾速の遅い空気銃は不利である。こうした状況では、発砲するより挽回作戦を考え、再び巡り会えるチャンスをハンターが作りあげたほうが賢明である。<BR>

 
発砲チャンスと狙点の例<BR>
 私の住まいの周辺は、キジの王国である。繁殖期ともなると、夜中でもケンケン雄キジの声がしょっちゅう聞かれる。彼らの生活ぶりを見てみると、雄キジにはあまり賢いとは言えない行動が多く見受けられる。雌が近くにいる場合は、雌を結果としてかばうあまりの行動なのか、否応なしに身を暴露していることがある。<BR>
 これは繁殖期が近づくほど顕著になり、ある程度の距離までは許容している。猟期の終盤、その状況によっては思いもしない距離まで接近を許すことになる。ハンターにおいては、この性格的な落とし穴が理解できれば、相当な武器となるであろう。<BR>
 キジに対して、遠くから徐々に近づいて行くと、キジはその距離が詰まるに従い、徐々に遠のいて行こうとする。キジが逃げようとする方角に気を逸らした瞬間に、用意していた場所に人がサッと身を隠すと、キジには明らかに動揺している様子がうかがえる。見えなくなった相手がどうしたのか、心配になるのか、首を高く、視線を方々に張り巡らしている。そうこうしているうちに、キジは人を確認すると一応安心したのか、また、ゆっくり移動して行く。<BR>
 キジは人が見えなくなり、不安になって立ち止まるーーそして首まで長くしたその姿は、ジッと辛抱してスコープ越しにチャンスをうかがっていたハンターにとって、もうその標的は肉の塊と同じことであろう。<BR>
 近い距離で精度に自信あれば、首元または、それ以上を狙点とし、それほど自信のない距離であれば、キジの急所が垂直に一直線になる、正面か背面を撃てる角度になるまで待つべきである。距離がある場合は、キジも比較的ハンターを意識しないので、落ち着いてその角度になるまで待つチャンスはあるものである。銃の精度によって狙点と角度が変化するのである。<BR>
 また、キジとの出合いでは、意外と近距離、それも5mなどという場合が、長い経験の中では何回か訪れる。その場での発砲は禁物である。なぜならば、キジはハンターが断りもなしにずかずかと踏み込んで来る様の一部始終を見ているのである。しかし、そのハンターが、キジには明らかに気づいていない素振りに、キジはそれほどの危険をハンターに感じないままに、ここまでの近距離を許してしまったわけであり、キジがハンターに望むことは「今さら不自然な行動はない」と、キジは感じているからである。<BR>
 ハンターは大きなアクションを慎み、徐々に後退して10m 前後、またはそれ以上の距離での発砲が望ましいであろう。<BR>
 一方、超遠射でのテクニックであるが、距離70m を1発で仕留めるチャンスは、まずない。それはそれほどの距離を想定した照準が用意されていないことが、ほとんどの原因となろう。その場合は、その距離での発砲は慎むべきであるが、照準が用意されている、または用意できる場合があるのである。<BR>
 照準の用意とは、レンジファインダーでの距離測定とスコープのBDC(弾道補正機構)により、その目的は達せられる。<BR>
 問題は、後者の用意されていない場合である。発射したが予測していた狙点には着弾しないケースが、遠射の場合一番多い失敗になるが、ここで発生する後処理によっては獲れるのである。それは、どこに着弾したのか判断し、その誤差をスコープ・レティクル上で修正してから発射するのである。しかしながら、この発砲しながらの着弾確認は、難度が非常に高く、そのハンターが習慣としてきた狩猟術が問われる瞬間となる。  <BR>
 着弾が確認でき、スコープ・レティクル上で、どの位置に修正するのかを判断しての発砲であるが、50m 前後の距離では、キジは1発や2発の着弾では、逃げないことが多いのである。弾道がどのくらいドロップしているのかが判明したならば、その数値分、狙い越しして発砲するのである。ただし、風がないことが条件である。<BR>
 キジの生活は、大多数の時間を採餌に費やしているが、砂浴びの習慣もある。皮膚や羽などを清潔に保つには大切な日課となり、キジがこの動作に気をとられている時間帯は発砲チャンスである。<BR>
 しかし、うずくまったその形態は、ターゲットとしては、低く、小さなサイズになるので、狙点は当然首元から上に限定される。可能な限り首を伸ばした状態のときに発砲するが、どうしても首を伸ばさない場合は、ハンターが小さな音を発っしてみよう。キジは、その音の正体を知るために、ハンターの都合どおりにしてくれるかも知れない。もちろん、キジをスコープでとらえながら。胴体を撃っても、立っているキジとは異なる急所になるので、半矢の可能性が高い。
 フィールドが開けていて、見通しの良い場所のほうが撃ちやすく見えるが、果たして、キジはハンターの観察に対して、のんびりしているだろうか。見通しの良い場所では、彼らは決して気を許してはいない。そのようなところでは必ず走って逃避することがキジの習性でもある。従って、ハンターからすると、キジの隠れる環境が近くに存在していたほうが好条件となる。一にも二にもキジの気持ちが落ち着くことが、ハンターが獲れる一番の要素なのである。決して攻め尽くして獲れる相手ではないのだから。<BR>
 また、キジが一箇所に居座って隠れたら、隠れている環境を壊してまで覗いてはいけない。キジは隠れたつもりになっているのだから。<BR>
 どのような状況でもそうであるが、その猟場でのゲームの動向、行動傾向をいち早く知ることである。付場はもちろんのこと、採餌場がどこで、いつごろ来るのか。水場はどこに、歩き回るコースは、雌との同行は、足跡は、などと探求すればするほど切りがないほど、いくらでも思いつく。何せ国鳥なのだから。(注)カラー・ページ「キジの狙点例6態」参照。<BR>

 
逃げられても追い返し猟で<BR>
 散弾銃では、あの轟音と恐怖のどん底に陥れる犬の存在は、キジにとってその日は逃げれられたとしても、一日中その恐怖がつきまとい、その日の猟場は恐怖の猟場となり、空気銃を持っての狩猟には向かない猟場となる。<BR>
 1発の轟音が及ぼす影響は、その小さなエリアに棲むすべての生き物に伝わり、その日、追いまくられなかったキジにも、同等の恐怖が伝えられたことであろう。その日の彼らは、やたらに神経質になり、場合によっては、その日は大きなブッシュ深く潜り込む結果となる。<BR>
 空気銃猟は、相手にあまり恐怖感を与えないで渉猟できる。たとえゲームに逃げられたとしても、相手のダメージによっては、その日またゲームとして蘇ってくれる可能性をいつも秘めている、大変面白い猟法である。<BR>
 いくつかの猟場を繰り返し巡回することによって、ゲームを手中にすることも多く、出合いの時間帯を経験的に割り出すことができるようになれば、一段と洗練されたハンターとも言える。<BR>
 キジが歩いている側には、茂みや草原、畑、生け垣、樹林が必ずある。つまり、キジにとって安心できるコースや場所は、危険を感じたなら即座に隠れることができる環境が条件なのである。ハンターは、この部分を集中して捜索すれば、きっと能率良い結果となるはずである。<BR>
 しかし、前述のごとく、ゲームが身を隠すことのできないエリアでは、たとえ発見しても、最も困難な相手となるので、少々の時間をゲームに与えてから、落ち着いた頃に再度チャレンジすることである。<BR>
 幸いゲームに出合ったら、何でもすぐに獲るための行動に移ることは必ずしも得策とは限らない。ハンディなしの勝負では、決してハンターが有利になることはない。とにかく相手が落ち着くまで待つことが大切である。たとえ飛ばずとも、キジが一度走り出したなら、空気銃ごときで急所に当てることは、単なる偶然性に頼った空虚なハンティングとなる。<BR>
 ハンターである限り、ゲームが獲れなくてはステップアップできない。獲ることが最大の経験となり、獲れる自信がそのハンターを大きくしていく原動力なのである。<BR>
 大いなる経験と、深い配慮に裏付けされたその技術は、一度飛ばれたゲームにも挽回作戦を開始できる。すなわち追い返し猟である。<BR>
 キジの重たい体で数百m飛ぶことは、キジにとって相当のハンディとなる。一番彼らに不可欠な警戒心も失せ、ただボーとしていなければならなくなったゲームは、ハンターにとって、このうえないいご馳走である。<BR>
 発見したときのキジは、決まってジーとしている割には、それほど安全な場所ではないところに居座っている。おそらく彼らの記憶因子の中には、これだけ飛んだのだから再度襲われるといった経験が、それほどないのである。キジの習性からか、長い飛行の末に着地する場所は比較的開けた場所が多く、飛行距離が伸びるほど思考能力は減退するようである。普段の何気ない飛行では、着地すると一目散に安全な暗がりに飛び込むが、恐怖と一緒に強制的に飛ばされた、その距離、その場所では思考もなく、暗がりの安全地帯への移動もままならないのである。<BR>
 キジはニワトリとかなり類似している。決定的に違うことは、キジは自身の力だけで生き延びていかなければならず、採餌する場所や、そこまでにいたる行動線上の危険を回避しなくては、明日という日を拝めない点である。これが野生の掟であり、ハンターという最大の敵を彼らはいつも猟場で意識している。従って、ハンターもその現実を理解して対峙すべきであろう。<BR>

 
射獲率を上げるための条件 <BR>
 いつもそうなってしまう五目猟やキジバト撃ちは、一時やめることである。目先に出合ったキジバトを撃とうと身構えたら、下にキジがうずくまっているかも知れないのである。つまり、キジバトが目的だとしたら、その目的は達せられるだろうが、キジが出たなら、キジを撃ちたいと思うのは当たり前のことである。
 ほとんどのハンターは五目猟になるようだが、よくキジを手中にしているハンターを見れば、自分もそうしたいと思うのも人情である。しかし、キジをよく獲るハンターのほとんどは、キジ狙いの目で常にフィールドを捜索しているのである。つまり、捜索対象が違うと、捜査線の質、角度、時間が微妙に異なってくるのである。特に捜査線である視線の位置が違い、キジの一番いそうなポイントに力点を集中しない限り、その能率は上がらないのである。<BR>
 その証拠に、五目猟のハンターと共猟すると、必ずその猟果は落ち込む。この場合のキジ猟では、五目猟に邪魔されているかたちになっており、運良くキジに出合ったとしても、積極的な捜索による結果ではない。キジに限らずゲームを発見するには、それなりのプロセスをこなさなければならない。それにはその人の精神的な影響は大きいものである。<BR>
 たまたま初心者(ビギナー)が、ゲームがどこに多くいるか理解しないでフィールドに立てば、全域について全神経を総動員することになり、時間とともにその人の集中力は落ちていく。たとえ小さなエリアでも、そのハンターにとっては大変な労働になり、一時間もしないうちに、自身が気がつかないままに、すでに気持ちは散漫になり、本来、注目すべきポイントも見逃して行く。<BR>
 ハンティングの醍醐味は、偶然性には存在しない。その判断と決断力が、はっきりとした結果となって出現することにある。たとえ一日中歩き回った結果、大した猟果も得られなくとも、自分自身の信念を一日中貫き通した自分に、自信を持つべきであり、いたずらに妥協しないことである。その積み重ねによって、近い将来、必ずやって来る大きな障壁は簡単に崩れ去ることであろう。<BR>

 
初心者に勧めたい単独猟<BR>
 ビギナーにとってなすべきことは多いが、人に学ぶことから始めることが妥当であろう。装薬銃で猟をしているハンターから、キジの付場や、ゲームの一日の生活ぶりなどをよく学んでからフィールドに立てば、今までより、違った見方も生まれてくるはずである。 また、出猟するたびに新しい発見や感動を身をもって受け止めれば、より充実した狩猟観を持つことができるであろう。<BR>
 猟友との共猟も楽しいが、たまには単独で草原や畑を眺め、観察してみよう。そこには単独だから、ある何か大きなプロセスが発見できるはずである。このプロセスがハンターにとって一番美味しいところであり、そのハンターの分岐点ともなるのである。複数になれば人間関係が発生し、ハンティングそのものの本質を複雑にし、ハンターのステップアップの障害ともなり得るのである。<BR>
 ハンターにとっての終着駅は単独猟であると、私は確信している。興奮した目でゲームと向き合うには、一対一しかあり得ない。すまし顔してゲームを手中にしているつもりでも、心の感動は抑制しきれないことを経験者は知っているのである。その雰囲気にどっぷり浸かり、最高に満足した結果は、自身に対しての満足であり、決して人に語る必要すら起きない出来事なのである。<BR>
 ゲームを捜索、発見するには、「そこにゲームがいる」と、自分を信じることから始まる。そして、目で見る前に心のどこかで感じるように心がけることである。「そこにはいないよ」と、どこからか声がしても、自身が納得できないのであれば、行動に移すべきではない。<BR>
 フィールドは生きており、常に移り変わっているのである。その変化をいち早く察知することは、世にいう経営理論と同じであろう。<BR>
 人の言葉のほとんどには一般論が多くあり、個々の状態、条件は意外と異なっていることが多いものである。通常、「よく晴れた日には獲れない」とか、「そこにいたキジは、この間獲ったからもういないよ」などとよく言われるが、とんでもない間違いである。いつも私が実行している事実とは、反対を信じているハンターは多いようである。確かに、そのような事実も多いが、それだけではないのである。<BR>
 可能な限り拡大された視野で物を感じ、物事には丁寧に対処して、辛抱強く気持ちを維持し続ける態度は、残念ながら欧米に先を越されているような気がしてならない。これは私だけなのであろうか。<BR>
 捜索意欲を増強しよう。「発見できる」という自信さえ持てば、その場凌ぎの無理な弾道を使うこともなく、次の機会に温存できる。捜索の結果、ゲームとの素晴らしい駆け引きが、最大の醍醐味だと知ったなら、自信に裏付けられた範疇で狩猟を楽しめばよいのであり、それが安全への近道となるのである。
 狩猟という太古からの息吹を感じ、現代社会において、自身の位置が今どこにあるのか、狩猟を通して常に知っていたいものである。<BR>

 
キジとの攻防例 その1<BR>
 
写真&状況説明<BR>
 すべての猟法に言えることだが、空気銃猟の基本は、静かな環境をハンター自ら作り出すことであり、そうすることによって、計り知れないほどの重要な要素がフィールドに潜在している事実と対峙できるのである。<BR>

1.待つこと一時間、危険を感じて、一度採餌場をやむなく離れたキジも空腹には勝てず、その美しい姿を再び現した。<BR>
 キジにとって身をかがめてもその身を隠せないところは常に落ち着かないようで、結果として、走りたがるようである。 <BR>

2.とりあえず、ネギ畑に逃げ込み、いつもの座り込みを決め込む。キジにとって座る行為は精神的に安定するらしく、何か考えごとをしているようにも見受けられる。<BR>

3.すでにハンタの存在を意識しており、首を伸ばして、しきりにこちらをうかがっている。<BR>
この時ハンターはスコープにとらえて見ているか、銃を構えず肉眼で見ているかで勝負が決まってしまうことが多いものである。つまり、キジが座り込んだ時点で、いつでも発射準備が整って居る場合と、チャンスが巡って来てから、銃口を向ける場合とでは、キジの感じ方が違うのです。<BR>
 ハンターはそれ以上のアクションを起こさずに発射できるのと、その時点でわざわざアクションを起こしてから発射するのとは、条件の差は大きくなる。
 ゲームが座り込もうとしている時に、ハンターもスコープに捕捉する行動は、ハンターが有利になる場合がある。それは、何らかの目的で行動し始めた瞬間は、集中力が散漫になるからである。従って、ゲームが動いたときがハンターの動くチャンスとなり、相手の動きに連動した行動学である。<BR>
 相手がジッとハンターを見据えてからでは、ハンターはアクションを起こすチャンスは失われ、次のチャンスが来るまで、辛抱強く待つことが、機会をうかがう行動学と成り得るのである。<BR>
 この相手の行動アクションとの連動を覚えない限り、ジッと辛抱している意味のほとんどは無意味なものになる。ゲームを発見してから、撃つ準備しても支障のない環境ならばよいが、すでにゲームから注目されている状況では、この位の思考が無ければスナイパーとは言えないであろう。ただし、引き金を落とす寸前までは、両眼でスコープと周囲に気を遣う必要が有る。<BR>

4.キジからすると、気を配った結果、ハンターからのアクションも起きないので、目的の採餌場に向かって歩き出した。<BR>

5.6.突然、キジが走り出した。ハンター自身微動だにせずに居た筈なのに....キジは何を感じたのでしょうか。ハンターがそのまま見て居ると、キジはそこが走り難いのか、手前の何も障害の無いところまで移動してから、さらに走る、走る。<BR>

7.無効にある採餌場に向かって走って行く。なるほどトウモロコシ畑で一休みか。<BR>

8.やはり一休みであった。このとき距離、時間に余裕があれば、先回りして待ち受けることになる。<BR>

9.再びキジは身をさらして走り出す。<BR>

10. やっと採餌場は目前に迫った。しかし、この時ハンターのスコープに捕られていたならば、そのハンターは、エキスパートである。11. そもそもキジが発見されることになった原因は、この足跡。かなり乾燥している畑なのに、このようにはっきりとその痕跡まで残っていることは、直前までキジがいた証しなのである。<BR>

 キジとの攻防例 その2<BR>
 
写真&状況説明<BR>
1.茂みの根本に居るキジを発見。始め同じところを見たはずであるが発見にいたらず、「ここには必ずいる」と確信した結果、更なる双眼鏡捜索により発見にいたった。そのときはチラッと見えたあの赤い顔が確認され、それが始まりとなった。待つこと15分、やっと動き出した。<BR>

2.出た、首から上だが、盛んにこちらを気にしている。なかなか動かない。何を感じているのだろう。<BR>

3.ちょっと気を許していたら、背を低くして進んだのか、10mくらい右に移動していた。<BR>
キジは隠れていた積もりであったら、スコープで捕捉している程度のアクションでは気にしない筈の距離であるが。<BR>

4.一端人家に接近しながら身をさらして走り出した。まるでハンターが人家に向かって撃てないことを知っているかのように。<BR>

5.あのボサに向かって、走る、走る。とても捕捉するチャンスはない。<BR>

6.5、6分、ぼさの根元でジッとしていたが、姿を現し、こちらをうかがっている。この時点でスコープにキジをおさめていたならば上出来である。<BR>

7.匍匐前進し、肉薄して行く。当のキジは一体何が近づいて来るのかと、少しずつ移動しながら迷っているようである。最大のチャンス到来。<BR>
 野生動物にとって、そこに何かが存在し、近づいて来る事は、ハンターがキジを発見する遙か以前から感じていたはずと考えていた方が妥当であろう。<
 しかし彼らからすると、どのような相手かを知る前に行動に移ることはないので、この曖昧な空間がハンターのチャンスとなるが、ほとんどは距離が開いている時点であり、そのことはハンターの知るよしもない。そのときの大きな手助けになる要素が、「そこにはキジがいる」という確信であり、それが執拗なる思考へと導入していく原点になる。<BR>
場合によっては、カモフラージュに切り替えたり、匍匐を実行して、その空間までのアプローチを完成させたり、可能な限りを尽くさない限り、その大切な時間帯をハンターは作り出すことはできない。<BR>
 ハンターの思考が勝つか負けるかは、すべてハンター自身の責任であり、相手の生命を賭けて闘うわけであれば、偶然性に頼った出合いでのハンティングなどは、キジにとっては単なる交通事故のようなものである。<BR>
 人が行う狩猟の素晴らしいところは、自身の信念がはっきりとした目的と結果によって証明されることであり、決して偶発的な現象を追い回すことではないのである。<BR>

 
※ヤマドリの狩り方と撃ち方  目次へ
 ヤマドリはキジ目キジ科に属し、日本固有種の留鳥である。地方によって、その羽毛の色彩も微妙に異なり、その土地の環境を物語っている。その呼び名もそれぞれで、近畿以東のキタヤマドリ、中国・四国のシコクヤマドリ、本州南部(房総・紀伊半島など)と四国南西部のウスアカヤマドリ、九州中北部のアカヤマドリ、九州南部のコシジロヤマドリの5亜種とされる。この中でコシジロヤマドリは禁鳥である。<BR>

 
ヤマドリの形態と習性<BR>
 ヤマドリは比較的低い1000m 以下の山の深い林に生息する。特に沢沿いの林を好み、常緑樹の暗い環境にいるので観察は難しいが、地方によっては、その生息数は未だ確保されている。<BR>
 形態 雄の尾は極めて長く全長の三分の二を占め、黒、褐色、白からなる竹の節のような模様があり、足には蹴爪がある。体全体は赤褐色だが首より下の羽毛の縁は白色で、尾の先端に近づくにつれ、白色部が多くなる。目の周囲には楕円型の鮮紅色部がある。<BR>
 雌は雄より小さく、体色は地味。全体が暗褐色と黒であり、針葉樹の落ち葉の中にうずくまっていると、見つけるのは難しい。尾は雄より短く赤茶色で、羽縁は黒から白、先端はキジの雌ほどには尖っていない。<BR>
 なおコシジロヤマドリの雄はヤマドリよりもさらに尾が長く、腰が白い。<BR>
 鳴き声 やたらには鳴かないが、低くコッコッコッと鳴く。また雄は鋭くチュイッと鳴く。繁殖期の雄は、胸を張り、翼を震わせてドッドッドッと打ち鳴らすドラミング(ほろ打ち)をする。姿は見えないが、ドラミングでハンターはその存在に気づくことが多い。<BR>
 行動 一年を通して数羽の群れで行動する。尾を水平に伸ばし、先端を地面すれすれに垂らしてゆっくりと歩き、危険を感じると、キジのように尾を立てて走る。また草むらにじっと身を潜めることも多く、人や犬が接近すると激しい羽音と共に垂直に飛び立ち、低空を直線的に飛び、滑翔する。<BR>
 採餌 歩きながら草の葉や種子、昆虫、クモ、ムカデ、カタツムリなどを食べ、木の枝に止まって木の実を食べることもある。<BR>
 繁殖 4〜6月に一回繁殖する。7〜13 個の卵を産み、雌のみが抱卵する。卵は46×35mmで白色。24日ほどでふ化する。林の中の木の根元などの地面に横20cm、深さ9cm ほどの浅い窪みを掘り、枯れ葉を敷いた簡単な巣を作るところなどは、キジと非常に類似している。<BR>
 雄はドラミングで縄張りを宣言し、一夫多妻、雌雄が別の峰に眠ると言い伝えられている。<BR>

 
ヤマドリの待ち撃ち猟法 <BR>
幻とも言われるこの霊鳥は、ハンターの気配を敏感に察する。察したら最後、その暗い環境に身を隠すことなど、いとも簡単にやってのける相手に、犬のいないハンターがどのようにして獲るのか、これほどの難題はないであろう。<BR>
 通常、装薬銃ハンターは日本犬や洋犬の加勢を借りて、その存在を確認、スタンバイと同時に沢下りを撃つのであるが、それとても相当な熟練をしない限り、もの凄い速度で下って来るヤマドリを確認し、発砲にいたることは難しいのである。<BR>
 ただ深山にハンターが身を投じても、まずヤマドリを見ることはない。そこにヤマドリがいても、ハンターにはわからないのである。まして刻々と変わる地形によって、ヤマドリが飛ぶコースを予測し、そのうえでの緊張を強いて、初めてヤマドリ猟本番の入り口に立つのである。<BR>
 空気銃での捕捉は、ビギナーにとっては待ち撃ちしかない。ヤマドリは早朝に水飲み場に出現するのが常である。従って、ハンターは事前にその水飲み場を踏査したうえで、夜明け前にその水飲み場に待機して、日の出と同時に撃つ猟法がある。これは事前調査に時間をかけて、出合いの時間帯と撃ち場を特定することが決め手になる。<BR>
 水飲み後の時間帯を過ぎるころから、ヤマドリはさまざまな谷筋に移動し始める。昼近くになると、下の雑木や灌木地帯にも下りて来る。この時間帯と、現れるポイントを限定することも、空気銃猟者にとっては最大の目標となる。<BR>
 ベテランハンターに、その地点の環境を聞くことから仕事となる。そして、ヤマドリが立ち寄れる環境の水場や、好物のイチゴ、ムカゴ、雑草の実などが安定しており、またツタカズラや藪、倒木などの多い、あまり手入れの行き届いていない環境で、針葉樹林帯が隣接しているところが狙い目である。<BR>
 その地点に近づくに従い、ハンターから発する音は、極端に減少せざるを得ない。枯れ葉が落ちる音、小動物が動き回る気配をハンターは移動しながらでも聞きとるほどの神経が必要である。もっとも、そのポイントにヤマドリが待ち構えていたならば、初めから勝負はついているのであるが、狩猟も他のスポーツと変わらず、その可能性の高い、確率論に支配されていることには変わりない。その可能性を限りなく増す努力を惜しまないことが、その目的と、結果を満足するために必要な行為なのである。<BR>
 待ち撃ち猟では、ハンターがヤマドリより早く付場に居座ることが理想であるが、長過ぎる緊張は決して良い環境とはならず、ハンターのミスも多くなる。居座り途中で、「もう、ここには現れないのでは?」などと思わなくとも、体が動いてしまい、それをジッと注視していたヤマドリに察知されている場合が多いのである。 <BR>
 本人は、「今日は来なかった」と思いたいが、ハンターの段取りがよければ、実は獲物は付場に来ているのである。ただ、ここ一番という極度の緊張が必要なわずかな時間帯も、居座りの時間が長すぎると、緊張感も緩慢となり、結果として相手に悟られてしまうのである。<BR>
 ジッと待つ場合、自身の気持ちの動きを冷静に自ら観察してみよう。人は見る動物であるが、感じる動物でもある。瞼を閉じて視覚からの疲労を解放してやろう。その光景が遮断されたことにより、ハンターは初めて感じようとする環境に否応なしに身を投じていく。カサカサという音が動物の動く気配なのか、空気の流れで揺らぐ小枝の音なのか、感じてみよう。<BR>
 この場合の待ち猟では、ヤマドリが発するカサカサ音とドラミング音を待つことが、待ち撃ちの序曲であり、始まりでもある。<BR>
 ハンターにとって優位な点もある。それはヤマドリにとっては、待ち撃ちでの危険をそれほど経験していないことである。これはすべての鳥に言えることであり、その環境を壊さず、動かず、静寂の中にいるハンターはハンターにあらず、そう相手が判断してくれるのである。<BR>
 あくまでも相手、ゲームの判断に、われわれハンターは支配されていることを肝に銘じて行動することで自然との一体感が生まれ、ハンターもコジュケイのような忍者になれる可能性がある。ただし、あまり動かない忍者であることは言うまでもない。<BR>
 この忍者化の最前線がカモフラージュ行為である。深山近くで散弾銃のハンターと出合う機会があるような場所ではあまりにも危険であるが、もし安全を確保できる地帯があるのであれば、ぜひともこのカモフラージュ作戦を極地的(他の場所に移る際には普段の猟服に着替える)にやってみたい。少なくともゲームから見えるその形態は、ハンターとは判断できないはずである。<BR>
 依託用に二股の枝も用意し、可能な限り銃口を目的のポイントに向けておくことを維持しよう。ハンターの失敗の多くが、銃を構える動作である。構えなければ相手に察しられずにすむことが多いのである。<BR>
 ヤマドリ猟は、ヤマドリの生活ぶり、性格、鳴き声やドラミングなどを判断材料とし、経験を積めば、ハンターは深山を移動しながらヤマドリとの出合いに期待できるようになる。その沢によって、彼らの動き方、移動の時間帯は異なり、空気銃ハンターにとっては、いつも行く場所を選定しておくことから始めよう。無闇に場所を変えても、たまには獲れることはあっても、一つのモデルケースを完成しない限り、その中身の本質は見えてこないものである。<BR>

 
待ち撃ちで選ぶ狙点<BR>
 ヤマドリの生息域は深山または、その近くと思い込んでいるハンターは多いようであるが、意外と200m前後の丘陵地帯にも棲んでいる。しかし丘陵と言っても、いずれの生息域はもっと高い山筋に連なっていた末の丘陵であり、エアハンターには珍しい山岳猟となる。<BR>
 起伏に富む地形では、ハンターの撃つ射角は自ずと多彩なシーンを強いられることになる。キジ撃ちなどではめったにお目にかからない斜め上方からの撃ち下ろし、下方からの撃ち上げと、その射角にハンターは翻弄されることも多い。このような地形は足場が安定しないままでの発砲を余儀なくされ、自然とその危険性は増していくので、共猟者を伴う場合には、細心の注意と打ち合わせが大切であろう。<BR>
 猟場の樹木の密生度も増していく。木々の葉や枝越しの発砲も多く、今まで人家周りの平坦で単純な地形からは想像もつかない環境なのである。<BR>
 獲物の狙点も当然バラエティーに富んでいるが、待っていても良好な射角を得られることは少なく、焦って撃っても良い結果とはならないので、良好な射角が得られないままでの発砲は慎むべきである。<BR>
 射角として一番良好な角度は、上方より撃ち下ろしする背面撃ちである。そして可能な限り首元または、その上の頭部にいたる細く小さな狙点を目標にすべきであろう。空気銃猟におけるヤマドリとの出合いの距離は30m 前後が多くなり、キジとは比べ物にならない彼らの神経質さには、それなりの配慮なくしては、とうてい目的を達成できないことは言うまでもない。<BR>
 ヤマドリの「ほろ打ち」を聞いたならば、ハンターの居座る場所を即座に決定し、その方向に銃口を向けても問題の起こらないポジションを探すのである。
 下からの打ち上げは、下草が邪魔になることが多く、狙点は首元から上になることが最も多くなる射角である。よく動く頭部に翻弄されるようならば、スコープ越しに監視しながら、いつでも撃てるようにして、小さく口笛を一回だけ短く吹いてみよう。彼の頭が一瞬ハンターのほうに凝視したときが、発砲チャンスである。ただし、この行為で何回ものチャンスは巡ってはこない。<BR>
 狙点としてはキジとまったく同様であるが、ヤマドリの生息環境からは、狙点は限定して<BR>
行うことを勧める。<BR>

  
※カモの狩り方と撃ち方  目次へ
 おそらく国内での空気銃猟の中での鳥猟で、カモは一番撃たれ強い相手であろう。また音、動きに対しても相当な警戒心を習慣的に兼ね備えているゲームなので、一発必中が大原則となる。警戒心の強い特性などは群れで生活する動物の必然的宿命である。<BR>
 このカモに対峙する銃種は、基本的にはキジと同じでよいはずであるが、大きく違う点は、地方によっては50mまたはそれ以上の距離の克服に心がけなくてはならないことである。<BR>
 最適な銃はプリチャージ銃に当然なる。距離、風を考えると、口径5mmで25ft-lbs以上、口径5.5mm で40ft-lbs以上、口径6.35mmでは60ft-lbs以上が確実性を増すための望ましいエネルギーだと思う。<BR>
 ここに列記した性能データは、国内においては一握りの会社でしか、供給していないので、このデータに近い精度の良い銃が最低でも必要となる。特に口径6.35mmで国内調達したものは、エネルギー不足のため困難な行為をあえて行っいることになる。<BR>
 本来は、口径を小さくして弾速を上げ、パワーに見合った、重たく精度の良い弾を使ったほうが遙かに効率的なのである。大きな口径は銃口エネルギーが距離が長くなるにつれて急激に減衰し、距離40〜50M で逆転してしまうので、これより小口径に軍配が上がる。<BR>

 
いかに捜索し、いかに接近するか<BR>
 カモの捜索は、彼らが水面をバックとしているときは、容易に発見できる。しかし、発見を難しくしているときは、水辺から上がったときであり、石の上でじっとしている、いわゆる石化けしている状況であるが、キジの捜索から比べれば、それほどの難度はない。<BR>
 彼らの生活ぶりは、常に暖かな日よりを、極端に好む。彼らの生活の中には、いつも冷たい水面があり、ことあるごとに体温を温めずにはいられないのである。それは水鳥の宿命でもあろう。水面にいるときの彼らの警戒心は、最高レベルに達しているので、相当な配慮に心がけなければ、飛ばれてしまう。群れで警戒しているのだから、それだけ警戒網が厳重ということになる。<BR>
 しかし、採餌の時間が過ぎ、毛繕いと昼寝時は目もうつろで、じーっと石化けしている。特に首を後ろに折り曲げ、背中に頭を沈めているときは、静かに、静かににじり寄るチャンスなのである。ハイターは銃の先端に触れるものに注意しながら、そっと匍匐前進である。もちろん弾は装填済みである。<BR>
 子ガモが確認できたなら、子ガモを撃ってみよう。運がよければ母ガモは戻ることがある。または母ガモを撃てば、子ガモはそのまま残る可能性がある。この親子獲りが可能な時期は初猟のころで、まだ警戒心もなく、子ガモも経験不足な時期である。<BR>
 カモに対しての接近術は、匍匐が適当である場合いが多いが、いざ狙撃という一瞬が一番難しいポイントである。ここで一押しすれば視野にカモは入る。確信したならば、5分以上の沈黙時間を設けよう。このときカモはとうに気付いている場合が多く、それをやり過ごすためには、オトボケの間合いが必要なのである。「あれだけ静かに、執拗な操作と仕草をしたのに」のすべては、この時間帯を待つか、待たないかに、かかっているのである。<BR>
 その時間帯を持ったのに飛ばれてしまった原因は、カモはすでにハンターを強く意識していて、ハンターが少しでも動いたなら、飛ぼうと用意していたに過ぎないのである。つまり、遥か初めの段階で、カモに警戒される要因をハンター自らカモに与えていたのであろう。<BR>

 
射獲率の高い狙点と撃ち方<BR>
 急所に当てることにおいては、キジの場合と何ら変わるところは存在していない。異なるところは、彼らが生活の場としているところが水場であり、ほとんどの射角は撃ち下ろしになることである。<BR>
 一番有利な背面撃ちが多く、撃ち上げはない。水面で泳いでいる彼らは、キジなどと違って、その角度を頻繁に変えるので、背面が現れるのを待っての、射撃が妥当である。距離が伸びるほど、その射角は水平撃ちに近くなり、その確率を減衰していく。<BR>
 射獲率の向上には、その射角による優位性を、ハンターがどのように導き出せるかにかかってくる。<BR>

 
優位性の基本は<BR>
1.弾の進入角度が、獲物表面に直角に近いこ と。<BR>

2.鳥体表面近くに重要臓器(心臓、肺臓、肝 臓、脊髄、脳などの横隔膜より前に位置す る)が位置していること。<BR>

3.垂直線上に長い急所が配列されていること。<BR>
 体内に進入した弾は、堅い骨格に衝突する と、思わぬ方向にその被害を拡大していく (タンブリング)。場合によっては、弾はい くつかに分裂し、カモにとっての被害は甚 大なものに波及していく。しかし、この効 果はハンターが計り知ることはないので、 一番確率の高い、表面的な狙点に絞られる。<BR>
狙点の優位性の基本は、垂直に伸びる急所の大きさと長さである。空気銃狩猟でのカ モ猟は、距離との闘いでもある。目測を数m誤ると、狙点に着弾しないのである。しかし、長く垂直に伸びる急所は、その距離を許容してくれるのである。つまり、その射角である背面撃ちができれば、20m 前後の距離誤差までをも許容できるのである。<BR>
 ただし、遠い距離では、水平撃ちになっていくので、その期待は薄くなが、この場合における、ひとつの考え方がある。背面撃ちになる状況は、弾道の湾曲によっても起きるのである。そのケースは、比較的低いエネルギーの弾道によって生み出される。湾曲した弾道は、いったん上に向かって撃ち出され、獲物近くでは撃ち下ろし角度で、獲物に衝突するのである。ポンプ銃やピストン銃で、50m から、それ以上の距離を撃つと、この弾道となる。私が数年前70m のキジを16ft-lbsのエネルギーで獲ったものが、その実例である。 カモ猟は、エアハンターにとっては最大の贈り物を授けてくれる。法規上、キジより何倍も獲れ、その肉の量も半端ではない。しかし、いったんその相手に対峙してみると、そう易々とは接近させてくれない。<BR>
 カモを発見すると、ハンターはそれに吸い寄せられるように接近してしまうが、川の様相や人家の配置を考慮した方策を持たない限り、成功はおぼつかないであろう。その状況によっては、発見と同時に撤退することの必要な事態は多いものである。闇雲に攻めても絶対相手にしてくれないのが、カモである
 大きな群れを発見したなら、手を叩くなどして、カモの群れの分断を図ることも得策である。しかし、その落ち着き先がどこなのかを前もって把握していなければ、何にもならない。<BR>
 川幅が狭い用水路などはエアハンターの格好の猟場であるが、狭いということは、そこに接近してくる一般人の生活の場があり、それを決して無視しないことである。うまく農家などと付き合えれば、条件のよい発砲も可能かも知れない。 <BR>
 空気銃猟は、周りに生活している人達とのコミニュケーションによっても、その成果は違ってくるので、人との関係を重視した狩猟が、本来の持ち味になるかも知れない。<BR>

 
本格的なデコイ猟のすすめ <BR>
 カモの待ち撃ちには、デコイを使用したデコイ猟が一般的ある。できるだけ多くのデコイを川の要所に散開させ、静かに待機する。コール笛の使用も効果的であり、その練習も当然、必要となる。<BR>
 カモの待ち撃ちとなると、鳥屋を設営しての猟が昔から普及している。空気銃でも同じ<BR>
行為が十分成り立つのである。<BR>
 この猟法においては、先達であるその道の資料から読み取っていただくとして、空気銃を使った場合のポイントに、話しを進めよう。<BR>
 空気銃の場合は、根本的には飛ぶ鳥にはアプローチしないので、屋根付きの鳥屋に身を隠し、依託射撃でカモを狙撃することになる。<BR>
 鳥屋の位置を決めることから始まるが、この仕事が一番重要である。人家、人の接近、弾道の行方はもちろんであるが、銃眼から獲物を捉えたときの、発砲範囲をどのあたりまでにするのか、決めておくべきある。空気銃での狙撃であるから、空に向かっては発砲しないので、すべては水面に向かう発砲である。<BR>
明け方と夕方がチャンスの場所と、昼前後の場所に分かれるので、数箇所の設営が実現すれば、その効果と楽しみは倍加する。ただし、鳥屋の設営するにあたり、移動式の鳥屋は便利であるが、設営する機会がいつなのかで、明け方の鳥屋猟は厳しくなる。つまり、明け方に狭い川で猟をする空気銃の場合は、そこにカモが当然いる場合があり、そうだとするならば、前もって鳥屋の設営を違う日に完了していなくてはならないのである。<BR>
 銃眼となる窓には、可能な限り小さく、鳥屋の内部は暗くなるよう、配置などに配慮すべきであろう。そして、鳥屋の外部はできるだけ周囲の環境に溶け込むような状況を作りたい。<BR>
 デコイの種類は、相当な数である。電動式まであり、その応用範囲は大変広く、すべて輸入品に依存しているので、その道に詳しい店にアドバイスを受けるべきである。<BR>
 どのような空気銃猟にも言えることであるが、エアハンターは、自身で犬の替わりまで遂行しなくては、その目的を達せられない。しかも、犬のような嗅覚は持ち合わせていない中での狩猟である。しかるに、エアハンターがそれを極めようとする段階で、対峙する相手の気持ちまでをも計ろうとするのである。<BR>
 犬のいないエアハンターが一番困るのは、命中したのはいいが、川を流れて行く獲物の回収である。小さな川ならバカナガ(長靴)を履いていれば事が足りるが、大きめの川ではちょっと抵抗があるハンターには、カモキャッチャーなるものを自作すれば、割合簡単に活用できるので、試していただきたい。。<BR>
 空気銃猟は、犬との共猟を楽しむ散弾猟とは基本的発想から違っており、そこにエアハンターの英知が光ってくるのである。<BR>

 遠射と高いスコープ位置の効用
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 最後に、カモ猟では比較的遠射のケースが多いので、遠射と関連してスコープ位置の高さについて考察してみよう。<BR>
昔から、われわれはスコープの高さ、つまり銃とスコープの関係において、銃身軸線とスコープ光軸線(視線)は接近していたほうがよいと考えがちであった。確かにポンプ銃ほどのエネルギーでも、25m 前後の射程距離においては、ゼロインを25m 前後にセッティングして、低いスコープマウントを使っていたのは事実である。しかし、この考え方は装薬ライフルからの考え方を移入してきた傾向が強いようだ。<BR>
 基本的なスコープ高さの決定は、その銃器の弾道曲線の湾曲率と比例して、その高さを決定していかなければ決して合理性は生まれない。<BR>
 装薬ライフルのように、300mまで理想的な低伸性があれば、口径.30-06クラスならば低いスコープ・セッティングで正解である。しかし、この装薬ライフルと言えども、400mを超える距離ともなると、低いスコープ位置では少々使いにくくなり、手前の距離での狙い越し量が増大していくのである。<BR>
 しかしながら、国内においてはそれほどの距離を撃つ機会も少なく、ごく一握りのハンターしか考える必要性もなかったことが、この点の考察がなく、現在にいたってきてしまったのだろう。<BR>
 空気銃においてもその例に漏れず、カモ猟などの遠い距離まで撃つためにゼロインも可能な限り遠くにセッティングしたくなるが、低いスコープ位置で40m またはそれ以上のゼロインにすると、肝心の手前の距離においての弾道が湾曲し過ぎて、かえって使いにくい弾道となってしまうのである。<BR>
 つまり、遠くに第二ゼロインをセットすると、第一ゼロインはさらに手前にずれ、中間距離での弾道の高さは光軸線から上に向かって離れていくのである。装薬ライフル同様、第二ゼロイン手前の、一番獲物との出合いが多い距離においての狙い越し量が多くなって、使いにくい弾道となっていくのである。弾速の遅い弾道の銃で、ある程度遠い距離を撃ちたい場合は、高い位置のセッティングが賢明である。そして低い位置での光軸線は、遠くなるほどゼロイン以外の距離についての着弾位置の変化が大きくなることにも認識すべきである。つまり、ほんの少しの距離を見誤っただけで、失中する可能性が増えるのである。<BR>
 最近のスラッグ銃は、その精度に期待できるものが多くなっているが、このスラッグ銃などもハイマウントにして、高い視線を用いてその狙撃を使いやすくしている。アーチェリ−やボウガンなどはその代表格であり、空気銃もその例に漏れないのである。<BR>
 いくらハイパワーな空気銃でも、40ft-lbs程度では、40m にゼロイン(通常、ゼロインとは第二ゼロインを指す)したい場合は、銃身より5cm 以上離した、超ハイマウントにしなければ、ゼロイン手前の弾道は相当な高さまで弾道が上昇してしまうのである。<BR>
 エネルギーが60ft-lbsともなると、中間クラスのマウントでも比較的使いやすくなるが、それでも50m にゼロインは使いにくく、40m ゼロがベストとなる。
 おわかりのように、ゼロイン位置を5m先にずらすことは、相当な弾速増加を必要とするのであり、地球上の引力と空気抵抗が飛行物体に及ぼす影響は絶大な力を持っているのである。わずか数mのゼロインを伸ばすために必要なエネルギーは、数十%もの大エネルギー増加を必要とするのである。<BR>
 通常の40mm以内のスコープ高さで各エネルギー別に、そのゼロイン位置を口径5.5mm で言えば、20〜30ft-lbsは30m 、30〜45ft-lbsは35m 、45〜65ft-lbsは40m が適度な範囲であり、熟練度を増して弾道補正の精度を確保できれば、この限りではない。<BR>
 65mmほどの高いスコープ位置では、60ft-lbsで50m ゼロインでも、手前第一ゼロインは、25m 前後になり、20〜30m の近距離をほとんど無修正で撃てることになる。<BR>
ゼロインの決定には慎重を要する。例えばカモやカラス専門なので、50m ピッタリにゼロインを合わせるのは、その距離だけについては適合するが、それ以外の、特に近距離については無視していることになるので、BDC(弾道補正機構)や目盛り付きレティクル内装のスコープで補正することを勧める(スコープの別項を参照)。<BR>
 いずれにしても、この補正機構を実行することにより、カモ猟などの遠い距離には、各距離にBDCノブをセッティングするだけで、すべての距離を無修正で撃つことが可能となるので、ぜひとも習慣づくことに期待したい。<BR>

 
※カラスの狩り方と撃ち方  目次へ
 猟と言うより、駆除と言ったほうが適切な表現であろうか。食べる目的がない標的に対しては、場合によっては瀕死の重傷を負わせれば、ある程度の目的は果たせるのかも知れない。しかしハンターである以上、一定の常識内で遂行したいとなれば、あくまでもハンティングとしての考え方をしなくてはらない。
 カラスを相手と選んだその日から、ハンターのハンティング感覚のなかで、何かが変わっていく。それはこれほど狡猾で頭脳プレイが得意な鳥は他に類を見ないからである。この点を克服しやすい銃となると、それほど気安く語れないのが現状である。これこそまさに狩猟の原点、作戦の善し悪しですべてが決まってしまい、銃はそのあとで考える始末である。イギリスではカラス専用の装薬銃があるくらいである。<BR>

 
二人三脚の車両作戦<BR>
 カラスを効率よく捕捉するには、法規的に許す範囲で、車をフル活用することである。運転専門のドライバーと二人三脚でカラスを索敵すれば、それほどの思考もいらずに目的を達成できる。<BR>
 例えば、普通車の場合は後部座席に射手が陣取り、窓から少しだけ銃口を出したままで接近し、ゼロインされている距離まで近づいたら即座に発砲する。銃口は可能な限り動かさず、ドライバーによってほとんどの動きは制御され、ここ一番というポイントまで、ドライバーに矢先方向に誘導してもらうことが、相手に悟られない極意となる。<BR>
 この手法に使う銃種は、車内で取り回しがよく、連発機能装備のプリチャージ銃がよいだろう。<BR>
 相手がカラスの場合は、弾速は速いほうが得策である。カラスはそれほど撃たれ強いほうではないので、その点でのエネルギーはいらないが、問題はその距離である。50m を習慣的に撃つことを前提にすれば、口径5mm で25ft-lbs以上はほしいところである。口径が5.5mm の場合は30ft-lbsはほしい。口径が小さほうがカラスの場合有利である。それはエネルギー量の割には、弾速が速いからである。 70m ともなると、50ft-lbsで重たい弾を使えば、風への抵抗性が増すはずである。しかし、一箇所で複数獲りするのであれば、発射音の小さな銃が好ましい。しかし、50ft-lbsのエネルギーで、音の小さな銃はどうしても高価になってしまうが、すべてのハンティングに活用できることも確かである。<BR>
 場合によっは、ガス銃でも十分対応できることもある。この手法で年間数百羽のカラスを獲っている人が何人かいる。ハンターとして誇るべきテクニシャン達である。<BR>

 
フクロウのデコイ作戦<BR>
 車両作戦はハンティングとしての面白さに欠けると言われる御仁には、デコイを利用した待ち撃ちをお勧めする。この手法はキジバトの待ち撃ちにほぼ合致しており、パワーを少し上げた条件で実行されるとよいだろう。<BR>
このときカラスコール用のラジカセと、それようのデコイを装備すれば、さらに効率が上がる。カラスの天敵は猛禽類なので、ここではフクロウのデコイと、テープによる音声を使用するためのアクセサリーなどを紹介している。<BR>
 その作戦は、多くのカラスがフクロウを攻撃している状態を演出し、テープによりカラスとフクロウの闘っている音声をカラスに聞かせるわけである。場所の選定さえ間違えなければ、相当の効果がある。<BR>
 このときのカラスの行動は、まず偵察隊が来て、しきりに観察している。次に本隊がやって来るので、ハンターはしばらく待つことにする。カラスが止まる木の枝は大体決まっている。特に一番高見のてっぺんがポイントになる。牧場の周辺にある、スギの先端が小枝を少々残して、葉がすっかりなくなっている木が、間違いなくカラスの止まり木である。<BR>
 ある書籍に、「カラスは利口だが、数は数えられない」という一項があるが、体験的にそのとおりである。木陰に居座るハンターに気づいて落ち着かないカラスに、木陰にいた共猟者一名を木陰から出し、カラスから遠のいていると、カラスはその木陰にはハンター不在と判断して、落ち着きをとり戻し、デコイ近くの枝に移って来る。<BR>
 狙撃が始まって、仲間が撃ち落とされているが、カラスはその原因がわからず、鳴きわめくので、さらに仲間を呼び寄せる結果になる。カラスゆえの悲しい性であろう。一箇所で15羽以上に被弾させ、10羽以上を回収したこともある。散弾銃でのカラス駆除に、決してひけをとらない成果である。ある意味においては断然優位に立っている。<BR>

 
その他の作戦例<BR>
 段ボール作戦 銃猟である限り、カラスには銃とハンターの身体を隠すか、カモフラージュするしかないので、大きな段ボール箱に入っての移動式鳥屋を紹介しよう。<BR>
 段ボールと言っても、ハンター一人が入り、銃身のほとんどは隠さなければならないので、かなりの大きさになる。電気店などで洗濯機や大型テレビ用の段ボールを入手しよう。<BR>
 この手法は、本気で、人目もはばからぬ覚悟が必要となろう。場合によっては立ち上がり、足は露出してもよい。しかし、いくら段ボールによって身を隠しているからと言って、いたずらな動きは禁物で、動くそのときは、少しずつ動いては止まる、を繰り返す、しぶとい動作が大切であろう。<BR>
 傘作戦 大きめの傘を楯にして、ハンターのシルエットをなくそうとする手法である。一番手軽にできるが、あくまでも全面に対してしか対処できないので、暗い木陰やブッシュの中に身を没して、上空、左右、背面に配慮するか、ハンターの身を徹底したカモフラージュ・スーツに身を包むことである。この徹底したカモフラージュと、周囲の遮蔽物を利用すれば、その効果は大である。<BR>
 これほどのカモフラージュ作戦は、国内ではまだ普及していないが、この世界を一度でも知ってしまうと、いつものハンティングとはあまりにも異なる、その質感に別世界を見た思いになる。一日やり通しての成果を見れば、気分は爽快であり、未知の世界に触れる素晴らしさが理解できてくるはずであろう。<BR>

 ※小獣類は空気銃で獲れるか   目次へ
 すべての決着は、当たりどころである。昨今、北海道においてのシカ猟ではハンターの減少も見られるが、本州からのハンターの加勢も借りて、今でも盛んに行われている。<BR>
 ライフルの口径は、.300ウインチェスター・マグナムという、国内としてはめっぽうハイパワーなものがもてはやされているようだが、距離200m前後までがほとんどの射距離であれば、この距離での残存エネルギーを考えると、過剰なエネルギーが生体を破壊することになる。<BR>
 確かに使いやすい弾道であり、あの高速低伸弾道で有名な7mm レミントン・マグナムと同じ弾道を7.62mmで実現するのであるから、相当なパワーである。
 弾がシカの中心部に衝突した瞬間、シカの<BR>
身体は一瞬、くの字に曲がってしまう。それほどの衝撃が体内を走るのである。遠くから偶然見ていた私にも、そのすさまじい様子が確認できた。生体に弾が高速で進入すると、体内の液体成分により、その波動がすさまじい速さで体内を駆けめぐっていくのである。この衝撃により致命的な急所にヒットしなくても、体内に進入した弾の動き方で、その効果は違ってくるのである。<BR>

 
その可能性と必要パワー <BR>
 では、空気銃においての四つ足猟はどうだろうか。その例をキツネを対象としてみると、さぞかしキツネは弾に強いのではと考えがちであるが、意外とそれほどではない。それでは頭撃ち専門かというとさにあらず、胴体撃ちで急所にヒットすれば簡単に止まる。なにせ口径4.5mm で仕留めたハンターもおり、それもポンプ銃であった。<BR>
 ここまでくると、銃種は何でもよいことになってしまうが、そこには適正という常識的な範疇がある。これによるとプリチャージ銃のハイパワーが一番適している。いくらどの銃でも可能と言っても、鳥と比べると急所まで弾が到達するまでの肉厚は何倍もあり、一歩間違えれば半矢となる。一度、傷つけた相手に対しての常識は、早く息の根を止めてやるのがハンティングのマナーである。<BR>
 ハンティングとは、相手を射殺して回収することまでが最低の責任行動である。たとえ半矢でも何とか回収する術を考え、終局を迎えようと行動するのであるが、そうかと言って半矢を奨励、賛美する必要性はどこにもなく、できれば、その場で昇天させるべきものである。<BR>
 ハンターには様々な技量があり、すべてのハンターに、ある固定したエネルギーを奨励することは困難である。つまり、高い技量の持ち主は、それほど大きなエネルギーを必要とせず、その着弾精度や接近術により目的を果たすのである。こと生体は、急所にさえヒットすれば、考える以上に少ないエネルギーで目的は遂げられるのである。<BR>
 この話で、いつもその中心となる人達は、ビギナーに近いハンターになってしまう。ビギナーまたはそれに近いハンターには、獲物に近づこうとする行動はあっても、その技量が及ばず、どうしてもそのハンターにとっては、遠くからの射撃となる。「見切り発車」での発砲であり、それは接近術が未完成であるために、どうしてもそのような無理な行動がつきまとうのである。しかし、ビギナーにとっての遠射は、最も過酷な条件となるので、とりあえず遠射は控えるべきであろう。<BR>
 50mにおいてのエネルギーは、ビギナーに近いハンターには最低でも40ft-lbsはほしいところである。しかし、それ以上のハイパワーは、かえってビギナーには使いにくくなる。大きなパワーになるほど、精度を確保するための、有効発射弾数は少なくなっていく。また、空気消費量も当然多くなり、「数撃てば当たる」は通用しない。<BR>
 しかし、もっと大変なことは、遠いほど距離測定と、それに見合うスコープの距離対応が煩雑になっていくことである。自分はエキスパートである、と思っているハンターは、この距離については完全に克服でき、回収までをかなりの確率を持って遂行できる人達である。<BR>
 そして無理な行為を正確に読みとり、その行動をやり直すか、一時停止か、放棄するかを早い時期に決断できることが条件となるであろう。つまり、エキスパートとは限りなく安全行為の遂行者なのである。<BR>
 ごく限られたハンター達により、対象を鳥として60ft-lbsまたはそれ以上のエネルギーでハンティングしているが、30m や40m で習慣的に、このハイパワーで狩猟していることは危険なだけで、良いことはまったく見あたらない無駄な行為であり、それ事態が初心者であろう。エキスパートは、決して無理、無駄を繰り返さないのである。




      頑張って、よくご覧下さいました。お疲れさま、
     でも、本物はこんなもんではありませんよ
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このページは特に長いです。是非とも最後までご覧ください
「空気銃狩猟百科」一部掲載(本書は数倍あります)・・・著者: 山口 進(Author:SusumuYamaguchi)読み終わったら更にこちらも
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